電通デジタルと電通は、クリエーティブの力を広告表現から拡張させ、新規獲得からCRMまでデュアルファネル全体で高次元なCX(顧客体験)を実現する、500人規模からなるバーチャル組織「CX Creative Studio」を設立した。トップであるオーナーには電通のチーフ・クリエーティブ・オフィサー(CCO)である佐々木康晴氏が就任した。
また、同組織は電通グループの中期ビジョンである、企業と社会の持続的成長にコミットする「Integrated Growth Partner(インテグレーテッド・グロース・パートナー)」の実現への寄与も目的としている。
企業のマーケティング活動のDXが進むなか、DXをただ仕組みとして取り入れるだけでは、結果として顧客への価値がますますコモディティ化していくことが懸念される。また、企業内ではCRMやSNSなどを担当するCX部署の統合・再設計が加速しており、新規獲得からCRMまでCXを統括的に対応するパートナーが求められている。
両社はこれらの企業課題に応えるためには、DXの先にある「その企業ならでは・ブランドならではのCX」をいかに向上させるかが重要だと捉え、「CX Creative Studio」を設立。「Creativity draws a human CX.(クリエイティビティが描き出す。人間らしさに満ちたCXを。)」をテーマに、電通デジタル(旧電通アイソバーを含む)・電通のそれぞれの特色を持ったクリエイターが500人規模で集結した。その強みが合わさることで、顧客を深く知り、データ・AI・XRを駆使し、マーケティングにおけるコンタクトポイントのすべてがひとつのストーリーとなる、高次元なCXを連続的に生み出すことを目指す。
また、大規模な組織体制によって、プロジェクトの規模や質によって多様にチームを編成し、安定したチーム体制で成功へ導くことが可能となるという。
組織体制
電通のCXクリエーティブ・センター、電通デジタルのアドバンストクリエーティブセンター/エクスペリエンス部門/コマース部門/CXトランスフォーメーション部門 CXクリエーティブ事業部/CXストラテジー本部/UX本部/エクスペリエンスデザイン本部より組成。
CX Creative Studioが発揮する3つの力
「ブランディングとマス起点のクリエーティブ」に強みのある電通、「データ起点のクリエーティブ知見」が豊富な電通デジタル、「グローバルケイパビリティとUI/UX」において評価されてきた旧電通アイソバーのクリエイターが合わさることにより、3つの力が発揮される。
- 唯一無二のブランドストーリーを生み出す力(ブランディング力、ビジュアライズ力、クラフト力)
- 愛される手触り・振る舞いをデザインする力(人を中心とした緻密なUI/UXデザイン)
- ひとりひとりに適応するもてなしを設計する力(データマーケティングとクリエイティビティの高度な掛け算)
同組織は今後、「その企業・ブランドならではのCX」を企業に提供するだけでなく、ウェビナーなどの情報発信やソリューションの研究開発など、CXの持続的な高度化に取り組んでいくとのこと。