マネーフォワードは、地域金融機関向けに、スマートフォンで容易に銀行のあらゆるサービスを利用できる『BANK APP』を提供開始した。同アプリを通じて、地域金融機関の利用者は、口座開設・資産管理・資金移動・ローン・各種手続きなどのあらゆる銀行サービス(段階的に実装予定)を、いつでもスマートフォンで容易に利用できるようになる。また、地域金融機関は、同アプリによって、ユーザーとの接点の強化や窓口業務のデジタル化、システムのクラウド化を実現し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できる。
第1弾として、同社は、『BANK APP』を栃木銀行へ来春に導入する。
『BANK APP』は、地域金融機関が、スマートフォンでかんたんに銀行のあらゆるサービスを、地域金融機関のユーザー向けに提供できるサービス。同社は、同アプリを通じて、地域金融機関のユーザーのお金のつながりをサポートするとともに、地域金融機関のDXを推進するため、次のサービスを段階的に提供する。なお、同アプリは、「Money Forward X」が提供する『マネーフォワードFintechプラットフォーム』上の新たなサービスとなる。
お金のつながりをサポートする地域金融機関ユーザー向けのアプリ提供サービス
- 口座開設
- 家計や資産の見える化
- 高額出金時のアラート機能
- ワンタップでの振替・振込
- ローンの借入・返済
- eKYCを活用した各種取引や諸手続き
- 来店予約
- ファイナンシャルプランナーへの相談
DXを推進する地域金融機関向けのクラウドサービス
- 取引状況や利用状況が一目でわかる、顧客管理サービス
- 顧客プロファイリングを活かした、効果的なデジタルマーケティングサービス
- デジタルに不慣れなお客さまを丁寧に支援する、カスタマーサポート代行サービス
地域金融機関は、機動性確保や保守コストの低さなどを背景に、システムのクラウド化を進めながら、金融サービスのDXに取り組んでいる。特に、コロナ影響により地域金融機関への来店者数は減少し、デジタル取引の必要性は高まったが、地域金融機関でのインターネットバンキングの普及率は35%程度と低く、地域金融機関のDX推進において課題になっている。
DXを推進する地域金融機関にとって、ユーザーの取引のデジタル化は急務であり、また来店までの距離を要する地域のユーザーの利便性の確保という観点からもデジタル化は重要であるため、同社は『BANK APP』の提供を決めた。同社は、同アプリを、アマゾンウェブサービス(AWS)を中心とした複数のクラウド(マルチクラウド)を活用して構築し、SaaSとして提供するため、費用面を抑えることが可能に。また、地域金融機関やユーザーの需要の変化に対応しやすいように、システム開発は、小単位で実装とテストを繰り返す、アジャイル方式で行う。
地域金融機関やシステムベンダーとのパートナーシップをより一層強化し、インターネットバンキング未契約者の地域金融機関のユーザーを含むすべての人を対象として、誰も取り残されない金融のデジタル化を目指すという。