Curvegrid、ゲームとブロックチェーンをつなぐ「MultiBaas for ゲーム」を発表

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2023/01/09 12:00

 東京を拠点とするブロックチェーン企業のCurvegrid(カーブグリッド)は、ゲーム内アイテムなどのマーケットプレイスとして、ゲームにブロックチェーンを活用することを可能にする「MultiBaas for ゲーム」を発表した。ゲーム開発者は、MultiBaasをWeb3ゲームのバックエンドとして使用したり、既存のWeb2プロパティにWeb3機能を追加したりすることができる。

 MultiBaasは、ブロックチェーンのミドルウェアとして機能するブロックチェーンアプリケーションサーバーで、ひとつ以上のブロックチェーンプラットフォーム上に分散型アプリケーション(DApps)を構築するために利用できる。MultiBaasは、Ethereum、Avalanche、Polygon、BNBなどの幅広いネットワークに対応。このSoftware-as-a-Service(SaaS)プロダクトは、ゲーム開発者がブロックチェーン開発の複雑な技術を習得することなくブロックチェーンを利用できるよう、Web UIとREST APIを提供している。開発者は、MultiBaasをWeb3(ブロックチェーン技術を活用した分散型の世界)ゲームのバックエンドとして使用したり、既存のWeb2プロパティにWeb3機能を追加したりすることができる。

 ブロックチェーンは、分散型マーケットプレイスとの連携を可能にし、ユーザーが独自のゲーム内マーケットプレイス以外でアイテムの販売やオークションを行えるようにする。初期のテクノロジーでは、このような取引を行うには暗号通貨が必要だったが、最新のマーケットプレイスでは、クレジットカード、PayPal、そのほかの手段による支払いも可能。このような連携により、ゲーム内アイテムの長期的な価値を高めると同時に、ユーザーがアイテムの所有権を保持することができる。さらに、ブロックチェーン上で動作するソフトウェアアプリケーションであるスマートコントラクトを適切に使用することで、出品されたアイテムとその対価である資金の両方が保証されるため、ブロックチェーンをエスクロー(第三者寄託)に使用することで、不正行為を減らすことができる。

 「MultiBaas for ゲーム」を利用するもうひとつのメリットは、ゲーム内アイテムの発行(作成)、転送、追跡をブロックチェーン上で行うことができる包括的なアセット管理。開発者は、透明性のある方法でアイテムの発行ペース、属性、希少性を自由に設定することができる。しばしばゲーム内で購入できる仮想アイテムのランダムなコレクションであるルートボックス(ガチャ)は、近年、法的枠組みとパブリッシャーの両方が搾取的なビジネスから消費者を保護するための措置を講じ、監視下におかれている。ブロックチェーン技術により、開発者はガチャの確率を可視化し、監査可能にすることで、消費者保護の懸念に先手を打つことができる。

 Curvegridの共同設立者ウィリアム・メトカーフ氏は「MultiBaasはゲーム業界に広く活用でき、開発者はバーチャルプラットフォームの迅速な展開とクロスチェーン対応を手軽に実現することができます。開発者は、カスタマイズされたマーケットプレイスの作成に悩まされることなく、プレイヤーがより簡単にゲーム内アイテムを固定価格・オークションで販売できるようになるのです。また、ゲーム内アイテムの長期的な価値を高め、アイテムのレンタルやゲーム間プロモーションの実施など、新たな収益源とすることも可能です。メタバースでの会議にデザイナーの宇宙服を着ていったり、週末の重要なレースのためにレーシングカーを友人に貸したりすることができます」と、述べています。

 Curvegridのテクノロジーは、レポートやトラッキングのサービスも提供している。バックエンドプラットフォームは会計システムと統合され、使用状況、売上高、販売数を追跡し、包括的な市場レポートを作成し、オンチェーンでのビジネスチャンスを明らかにすることができる。デジタルペットのオープンスタンダードであるPetaverse Networkや、NFTメタバースのパイオニアであるDvisionなど、Web3を採用している企業は、すでにCurvegridと連携し、魅力的でユーザーフレンドリーなブロックチェーン体験を確立している。