日本テレビホールディングスは、映像クリエイターの学び・仕事・つながりを支援する株式会社Vookへ出資を行った。Vookへの出資を通じて協働で社会的インパクトの測定・マネジメントに取り組んでいく。
本件出資の背景・目的について
社会課題が多様化・複雑化・深刻化し、持続的発展のためには従来の経済的尺度だけで物事を評価・判断することが難しい時代にあって、同社グループは、開局70年となる2023年に始動した「日テレ共創ラボ」を通して、様々な社会の課題に応え、次の時代の体験価値を生み出すための活動を行っている。社会に新たな「モノサシ」を提起するための調査・研究を行う中で、同社グループがこれまで行ってきたサステナブル投資に関しても、経済的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的インパクトを同時に生み出す「インパクト投資」という考えを取り入れたうえで、投資検討段階から継続的に社会的インパクトの測定・マネジメントを行う「インパクト投資」の1号案件として、Vookへの出資を行った。
デバイスの進化やSNSの普及、ライフスタイルの変化により、さまざまな方法で映像に触れることができるようになった現在、映像需要の拡大とともにクリエイター不足やクリエイターが働く環境・待遇の改善が映像業界にとっての大きな課題となっている。Vookは「映像クリエイターを無敵に。」をミッションに掲げて、それらの課題を解決すべくクリエイター育成やキャリア支援などを行っている。同社グループは業界の持続的な発展に貢献するためにVookへの出資を行い、両社でクリエイター支援に取り組むこととした。
今後は、Vookが提供する「Vookキャリア」や「Vook school」を活用した同社グループのクリエイター確保や育成を行っていくだけでなく、同社グループの企画力や各事業のノウハウ、Vookのクリエイターネットワークや育成ノウハウを活かして、クリエイター向けイベントや「Vook school」の新コース開発などの共創に取り組むことで、すべての映像クリエイターが個性を発揮し、映像を通して感動体験が溢れる社会づくりを目指す。
Vookのインパクト測定・マネジメントについて
目指すインパクトについて
本件出資検討時のインパクト・デューデリジェンスを通して、ケイスリー株式会社と同社の支援のもとでVook経営陣が検討した結果、「映像の力で社会を変える」を長期的に目指す社会的インパクト(図1)とした。映像の力で個人の楽しい時間や体験、企業の成長や社会問題の解決が加速する世の中を目指していく。
ロジックモデルについて
Vookが目指す社会的インパクトと戦略の詳細を可視化したロジックモデル(図2)は次のとおり。
インパクト指標について
上記のロジックモデルにもとづき、同社との協議のうえ、クリエイターの数や働く環境・待遇の改善・向上を測定指標(図3)として設定した。今後はこれらの指標を定期的に測定し、両社で社会的インパクトの創出・拡大に向けて取り組んでいく。