デンマークの国営デザインファームであるデンマーク・デザイン・センター(以下、DDC)と、日本のデザインコンサルティングファームKESIKIは、社会的インパクトを生み出す事業創出のためのインキュベーションプログラム「The Garden」を共同で設計・運営することを発表した。
「The Garden」設立の背景・狙い
近年、「社会的インパクト」を生み出す事業の創出に対する関心は日本企業の間でも急速に高まっている。一方で、「社会的インパクト」に関する議論が「グリーン(Green)」という狭い領域に閉じてしまっていることも事実である。
企業が広い意味での「社会的インパクト」に目を向けることは、消費者や投資家からの要求に応えるためだけでなく、モノやソリューションに溢れる社会における適切な課題追求と、新たな事業領域の探索への手がかりを得ることにもつながる。
本プログラムでは、目の前の顧客だけではなく、社会のエコシステム全体から課題を特定し、複雑かつ体系的な課題に対する取り組みが顧客にも価値提供がもたらされるサイクルをつくる「システミックイノベーション」のアプローチにより、多様なステークホルダーとともに共創的なエコシステムを構築することを目指す。
プログラム概要
「The Garden」は、デンマーク・デザイン・センターとKESIKIが共同で実施する、社会的インパクトドリブンな事業のためのインキュベーションプログラム。おもな特徴は次のとおり。
北欧の先進的企業を巻き込んだスタディツアー
前半のインプットフェーズでは、社会的インパクトを生み出す事業創出をリードする北欧企業に対するリサーチやスタディツアーを実施し、日本では得られないような豊富なデータと深いインサイトを獲得。
「システミックイノベーション」のアプローチ
社会のエコシステム全体のなかで課題を定義し社会的インパクトのある事業を生み出すために、「システミックイノベーション」やDDCが持つ各種イノベーション創出フレームワークを活用。
課題設定から事業創出までを伴走
リサーチによる情報収集や課題設定にとどまらず、それらを起点にした新たな事業創出までをDDCとKESIKIが伴走。事業創出フェーズは参加企業ごとに設計され、専門性を持つメンバーがプロジェクトを支援。