I&CO、新たにシンガポールオフィスを開設 APAC市場でのビジネス展開を加速

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2024/04/12 11:00

 I&COは新たな事業体としてI&CO APACを立ち上げ、あわせてシンガポールオフィスを開設した。2019年に開設した東京オフィスに続き、アジアで二拠点目となるシンガポールオフィスは、I&COのアジア市場におけるビジネス開拓を主導する。I&CO APACおよびシンガポールオフィスの代表に高宮範有氏、ビジネス・デベロップメントの責任者に竹内恭平氏が就任する。

I&CO APACおよびシンガポールオフィス設立の背景

 近年、日本企業が海外で事業展開をする地域の大半をAPACが占め、なかでも世界中から投資家や企業が集まるシンガポールへの進出のニーズが高まっている。一方で、宗教や価値観、消費志向の違いを踏まえたビジネスのローカライズが求められることに加え、2024年3月にはシンガポール政府が外国人の就労ビザ条件を厳しくすることを発表し、かつ現地人雇用にも制約があるなど、日本企業にとってとくにシンガポールへの進出には一定のハードルがある。

 こうした背景からI&COは、グローバル視点の戦略策定やデザイン開発を数多く手がけてきた実績を生かして、アジアと日本の架け橋になるべく、I&CO APACおよびシンガポールオフィスを設立した。多くのアジア発スタートアップが成功の足がかりとして日本市場に注目していることもふまえ、日本からアジアへ、そしてアジアから日本への双方向の支援を提供していく。

これまでのアジアでの活動

1.自治体との協業:泡盛の海外進出支援

2023年10月より、I&COは沖縄県のアジアにおけるブランディングパートナーとして、シンガポールを拠点とした泡盛の販路拡大と高付加価値化のためのブランディングを手がけている。この取り組みはすでに多くの在シンガポールメディアに取り上げられており、今後も泡盛の高付加価値化と販路拡大を目指す。

琉球泡盛「残波」「海乃邦」の海外専用ボトル

2.ファンド・VCとの協業:CrossCapitalとの業務提携

2023年7月に、日本企業特化型のオープンイノベーションインフラを構築するCross Capitalとの提携を発表した。日本企業と海外スタートアップ間の新規事業創出、およびサービスやプロダクトを加速度的に成長させるうえで重要なファクターとなるデザインやブランディングの領域で、Cross Capitalと連携している。

3.スタートアップとの協業:Trambellirとの資本業務提携

2024年2月に、医療・ウェルネスツーリズムの予約プラットフォームを提供するマレーシア法人Trambellir との資本業務提携を発表し、デザイン面でTrambellirの企業価値向上とビジネスの加速を支援している。

今後の展望

​​ ​​I&COは、2016年にニューヨークで創業、2019年に東京オフィスを開設して以来、ASICSやPanasonic Connect、UNIQLO、Woven City など、国内外の企業のブランディングプロジェクトを数多く手がけてきた。この度の新拠点開設によりI&COは、これまでニューヨークと東京で築いてきた実績に加え、アジア各地での事業展開を加速していく。

 これまでのアジアでの活動について、今後はI&CO APACがこれらのプロジェクトを主導する。シンガポールオフィス開設に際しては、すでに日系含む大手企業およびスタートアップ企業200社以上と連携を進めており、今後もパートナーシップを強化・拡大していく計画。

I&CO APAC代表 高宮 範有氏 コメント

「I&COはこれまで、ニューヨークと東京で数多くのプロジェクトを手がけ、国境や文化をまたぐビジネス支援に注力してきました。2024年から新たに拠点に加えるシンガポールの特性を活かすことで、I&COが日本とアジア各国の経済的・文化的な架け橋となり、アジア発のグローバルブランドやサービスを生み出すことを目指します。社会やビジネスへの実装を見据えた戦略とデザインというI&COの強みをもって、より多くの企業とともに、さらなるイノベーションを生み出していきたいと考えています」