Insight Techは、各企業が定めるパーパス・理念の浸透度をAIで定量化する「パーパス可視化AI」を味の素に提供開始する。
味の素グループが製品・サービスを通じて企業ブランドを高めるために定義した6つの「貢献価値」がどの程度浸透しているかを定量化し、さらなる価値浸透に向けた現状・課題を把握する取り組み。定量化に際しては、Insight Techが独自に保有する文章解析AI「パーパス可視化AI」を活用する。
取り組み内容
同取り組みでは、主要10ブランドを対象に、味の素グループに寄せられるユーザーの問い合せに加え、SNS上での発話や、Insight Techが運営する「不満買取センター」に寄せられる不満といったVoC(Voice of Customer)のテキストデータをAIで解析し、各ブランドにおいて貢献価値がどの程度浸透しているかを定量的に評価する。
1件1件のVoCのテキストデータに記された内容から、1:ポジティブな言及かどうか、2:6つの貢献価値のいずれに該当するか、を文章解析AIを用いて判定・定量化する。
この結果をまとめることで、「その期間に各ブランドにおいてどの程度貢献価値が実感されたか、浸透したか」を客観的に評価できるように。また、スコアが高いVoCのテキストデータに注目することで具体的にどのようなオケージョン(生活者の具体的な行動や場面)で貢献価値が浸透しているかを解像度高く把握することもできる。
取り組みにより期待される効果
同取り組みによって、次のような効果が期待されている。
- 6つの貢献価値のうち各ブランドの特徴に応じて強化すべき価値が浸透したかを把握できる
- 貢献価値が実感されているVoCに注目することで、生活者目線でのオケージョン発掘が可能となる
- この結果にもとづき、各種打ち手の企画や効果検証が可能となる
- 結果として、貢献価値の浸透を通じ、さらなる企業ブランドの価値向上につながる
なお、本取り組みは2023年度の試験的運用を経て、2024年度より年間を通じて本運用を開始するもの。
Insight Techの独自エンジン「パーパス可視化AI」
Insight Techでは独自の文章解析AI「アイタス(ITAS)」を各社の課題に応じてカスタマイズしている。本取り組みにおいても、文章解析AI「アイタス」を活かし、次のような機能をもつ「パーパス可視化AI」としてカスタマイズしている。
文章解析AI「アイタス」をカスタマイズした「パーパス可視化AI」の機能
- 不満買取センターが保有する4,000万件を超える不満ビッグデータをもとに言葉の類似度を評価
- 生活者の発話の中に含まれる要素(発話を構成する節)ごとに感情を判定
- 上記をふまえ、教師データが不要で各社のパーパス・理念への浸透度を定量化(スコアリング)
Insight Techは引き続き、独自のビッグデータ×自然言語処理技術と課題解決力を活かし、文章解析AI「アイタス」のカスタマイズを通じてビジネス課題の解決を進めていく。