アドビ、Adobe Expressの新たなエンタープライズ向け機能を発表 コンテンツ作成の生産性倍増へ

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2024/05/24 09:00

 アドビは、新たなAdobe Expressのエンタープライズ向け機能を発表した。これにより、企業はマーケティングコンテンツの作成を加速し、コミュニケーション、営業、そのほかのビジネスユーザーに対して容易でブランドに沿ったコンテンツ制作を拡張することができる。Adobe Express for Enterpriseは、Adobe Firefly Image 3 Foundationモデルを搭載しており、驚異的でフォトリアリスティックな出力、プロンプト入力からのスピーディな生成、商用利用に安心な設計を提供する。

 新たなアップデートには、ブランド管理機能、コンテンツを一括作成、生成する機能や、Adobe Firefly カスタムモデルが含まれており、マーケターが今後のキャンペーンのためにコンテンツを再利用および適応させ、異なる地域向けにキャンペーンアセットをローカライズすることができるように。営業チームは、クライアントや見込み客向けに魅力的な資料を容易に作成およびカスタマイズでき、内部および外部のコミュニケーションチームは、関係者向けのコンテンツを迅速かつ容易にデザインできる。

 Adobe Expressは、Adobe Acrobat、Adobe Creative Cloud、AEM Assets、および今後登場予定のエンドツーエンドのコンテンツライフサイクルアプリであるAdobe GenStudioとシームレスに統合されているとのこと。Adobe GenStudioは、マーケターが既存のブランド承認済みコンテンツを再利用し、デジタルチャネル向けにバリエーションを生成し、アドビおよびサードパーティアプリケーションでコンテンツをアクティベートし、コンテンツのパフォーマンスを測定することを可能にする。Adobe GenStudioに深く統合されたAdobe Express for Enterpriseは、承認済みアセットのリミックスや、専門的なクリエイティブスキルを必要とせずにコンテンツを直接編集する機能をサポートする。

グローバルブランドや代理店がAdobe Express for Enterpriseでスピードと効率性を向上 

 IBMのマーケティングチームは、Adobe Express for Enterpriseを使用してコンテンツをパーソナライズしている。IBMのマーケティングおよびコミュニケーション担当シニア バイス プレジデントであるジョナサン アダシェク(Jonathan Adashek)氏は、次のように述べている。「マーケターは、仕事にシームレスに統合される信頼できるAIを求めています。Adobe Express for EnterpriseはIBMのマーケティングチームがビジネス戦略に合わせ、ブランドに沿ったコンテンツを作成し、ターゲットオーディエンスに対して魅力的でパーソナライズされた体験を届けることを可能にしています」 

 IBMコンサルティングは、アドビと提携して、クライアントがAdobe ExpressでAdobe Fireflyを活用したワークフローにより、安心して商用利用できるコンテンツを容易かつスピーディーに作成し、コンテンツサプライチェーンを近代化するのを支援している。クライアントは、クリエイティブ制作タスクをより多様な専門家チームに分散させながら、よりパーソナライズされた、ブランドに準拠したデジタルアセットを大規模に提供することで、プロジェクトのキャパシティを30%拡大し、市場投入までの時間を70%短縮することが期待できる。また、Adobe Express for Enterpriseにより、IBMのコンサルタントは、マーケティング資料にフォント、カラー、ロゴ、画像を迅速に適用することで、ブランドに沿ったコンテンツを作成することができる。  

 その他の大手企業や代理店も、Adobe Expressを使用してブランドに沿ったコンテンツをより迅速かつ効率的に作成している。

  • 電通は、マーケターがセルフサービスを利用することで、市場投入までの時間を70%短縮した 。
  • Red Hatは、マーケティング組織でAdobe Expressを使用している。Adobe Expressテンプレートを活用することで、マーケターはオンデマンドで独自のアセットを作成し、デジタルキャンペーン、製品マーケティング、またはイベントのために迅速にスケールアップできる。Adobe Expressを使用することで、Red Hatは数日かかっていた作業を数分で完了できるようになった。Adobe Creative CloudとAdobe Expressの統合により、Red Hatのデザインワークフローが効率化され、クリエイティブチームは顧客との新しいエンゲージメント方法をデザインするための余裕が生まれた。
  • ブランドエクスペリエンスエージェンシーであるOwen Jonesは、クライアントがAdobe Expressを使用してセルフサービスで変更を行うことで、コンテンツのバージョン管理にかかる時間を40%削減した。

企業の安全に配慮した、迅速かつ効率的なコンテンツ制作を実現する自動化とAI

 Adobe Expressの機能は、Firefly生成AIモデルによって強化されており、企業が自信を持ってアプリを広範に展開できるように設計されている。Adobe Fireflyを活用した進展には、「テキストからテンプレート生成」、「テキスト効果」、「生成塗りつぶし」などの機能や、自動翻訳などほかの機能が含まれている。これらの機能はAdobe Expressのワークフローに深く統合されており、マーケターがキャンペーンを迅速に展開し、制作準備が整ったアセットを瞬時に生成、翻訳、カスタマイズし、わずか数クリックで無限のバリエーションを作成できるようにする。

 Adobe Firefly Image 3 FoundationモデルがAdobe Expressで直接利用可能となった。最新のAdobe Firefly Image 3 Foundationモデルにより、これまでにない品質の担保、管理、さまざまな出力が可能になる。たとえば、ユーザーはAdobe Fireflyと参照画像機能を利用して、シンプルなプロンプトのみでアップロードした参照画像のスタイルやムード、ライティング、レイアウト、構成を参照した新しい画像の生成が可能。    

 アドビは、Adobe Fireflyで生成された画像に対して企業顧客にIP保証を提供し、ブランドにさらなる安心感を与える。生成AIの使用に関する透明性を提供するために、Adobe Fireflyを使用してAdobe Expressで作成または編集されたデジタルコンテンツには、自動的に「コンテンツクレデンシャル」が付与され、オーディエンスとの信頼を築くデジタル成分表示ラベルが提供される。

 近日公開予定のAdobe Firefly カスタムモデルは、企業顧客向けにAdobe Express上で利用可能になり、企業顧客はツール、チーム、マーケティングタッチポイント全体でより強力なブランドアイデンティティを持つ画像を生成するための最適化されたAdobe Fireflyモデルを作成できるようになる。

 コンテンツを一括作成、生成する機能は、マーケターがテキストや画像(生成された画像を含む)を数秒で置き換えることを可能にする。マーケターは、生成されたコピーを活用してメッセージのパフォーマンスをテストし、AIによって高速でチャネルやデザインタイプに適応させることもできる。

企業全体でブランドに沿ったコンテンツを提供

 Adobe Express for Enterpriseのアップデートにより、誰もがブランドに沿ったコンテンツを作成できるようになる。テンプレートロックおよびスタイルコントロールを使用して、ブランド管理者は承認済みコンテンツをほかのユーザーが再利用、ローカライズ、または最終調整できるように共有することができる。Adobe Express、Adobe Photoshop、Adobe Illustratorの間の相互運用性により、クリエイティブおよびマーケティングワークフローが橋渡しされ、アセットが常にブランドに沿い、最新の状態に保たれる。

 2024年5月22日よりテンプレートコントロールおよびAdobe Fireflyカスタムモデルを活用して、アセットやテンプレートへのアクセスを管理し、重要なブランド要素を維持することが可能になる。  

 プロジェクト機能のサポートにより、チームはブランドアセット、ライブラリ、ファイルなどを専用スペースで共有することで効率的にコラボレーションできる。非マーケター向けに、Adobe Express for Enterpriseは背景の削除、GIFへの変換、二次元コードの生成、説明動画、チラシ、プレゼンテーション、バナー、ソーシャル投稿の作成を迅速かつ簡単に行うことができる。企業ユーザーは、新しいプレゼンテーション機能および強化された印刷機能を活用することも可能。

 アドビは、Microsoftと協力して、Microsoft Copilot用のAdobe Express Extensionを開発しており、新たなレベルの創造性と生産性を解放する。この拡張機能により、ユーザーはMicrosoft 365アプリ内で簡単なプロンプトを使用して、ブランドに沿ったコンテンツを簡単に作成できるようになる。Copilotチャット内で、魅力的な動画、アニメーション、ソーシャルコンテンツ、バナー、フライヤーなどを直接作成でき、ワークフローを中断することなく作業を進めることができる。