リコーとコスモスイニシアは、両社で住空間×働き方をテーマとした価値創出プロジェクトを実施し、発案されたアイデア「コモリワーク」と「ドマワーク」をコスモスイニシアのリノベーションマンション2件で採用。2020年3月に完成した。
リコーでは、新規事業の創出に向けた取り組みとして、デザイン思考のメソッドを使った「価値創出プログラム」を社内外で展開。コスモスイニシアは、これまで10万戸超の新築マンション供給実績の中で培った家づくりのノウハウをいかしたリノベーションマンションの企画・販売を行っており、多くの企業とのコラボレーションなどにより、新たなすごし方の提案を行っている。
働き方改革が進み、在宅勤務をする人、フリーランスで働く人、副業を行う人など働き方が多様化し、共働き世帯も増えているなか、両社は住空間×働き方をテーマとしたインタビューやワークショップを実施。リコーのデザイナーとコスモスイニシアのクリエイターが、リコーの価値創出プログラムで共創し、調査とワークショップを重ねた。
ワークショップで発案された15のアイデアと抽出されたインサイトをもとに、2つのアイデアを採用したリノベーションマンションが完成。「家の中で仕事に集中する」ことと「仕事以外の空気に触れ、気分転換や着想を得る」ことの一見、相反する要素を両立させる住まいを急速に増えているテレワーカーへ提案する。
「コモリワーク」 創造的な仕事を生みだす家
“家の中にこもれる空間がある”をコンセプトとし、リビング・ダイニングにつながる洋室に、家族と程よい距離感を保ちながら、集中して机に向かうことができるスペース「コモリワーク」を設けた。
高い視点から室内や窓の外の様子を眺められるようにしているほか、超至近投影が可能なリコーの超短焦点プロジェクター(別売)を採用することでデザイン性を損なうことなく、ガラスの両面に映像を映し出すことができる。「仕事」の場面では机の前にビデオ会議やオフィスのライブ映像を映したりできる一方で、「プライベート」では洋室側から映画を見てゆっくりするなどの多様な使い方が可能。
「コモリワーク」内は横になることができる広さ(約0.8畳)があり、下部は収納スペースになっているため、空間を立体的に活用している。
家族との連続性を確保しながら、ひとりで思考するスペースを設けることで、自宅で創造的な仕事を生みだすという価値の創出を目指した。