――まずは御社の事業概要について教えてください。
1984 年、自然とともに豊かな暮らしを享受するスウェーデンの住思想への共感をベースにしたまちづくり「スウェーデンヒルズ(北海道石狩郡当別町)」の開発から始まりました。スウェーデンの住思想をベースにした豊かなライフスタイルを提案し、日本の文化や風土に調和させた本物の住まいを品質第一の施工でお届けすることにより、資産として価値の持続する家づくりを実践しています。現在は、スウェーデンより輸入した組立建物の製造、販売、設計施工、不動産事業などを展開しています。
――2021年4月に提供を開始した「VRモデルハウスウォークスルー」にはどういった特徴があるのでしょうか。
VR モデルハウスウォークスルーは、住宅購入を検討している人たちが、当社の実際のモデルハウスをバーチャルで内見することができ、その際に当社オリジナルの3Dキャラクターが内見をサポートするウェブサービスです。
住宅購入を検討する際、現存するモデルハウスをバーチャル(ウェブ上の3D)で内覧するサービスはほかにもありますが、今回このサービスに、オリジナルの3Dキャラクターを組み込むことで、利用者はウェブ上で漠然と部屋を内覧するだけではなく、営業スタッフに現地で説明を受けている状態とより近い感覚で、好みの3Dキャラクターとボット機能で会話をしながらモデルハウスを内見することができます。
――本サービスを開発するに至った経緯について教えてください。
VRモデルハウスウォークスルーは、野原ホールディングス株式会社さまとの共同開発により実現したものです。
野原ホールディングス株式会社さまは、2018年にスウェーデンのBIMobject AB社との合弁会社 BIMobject Japan株式会社を設立され、同年SCCJ(在日スウェーデン商工会議所)に加盟しました。
2020年2月にSCCJ の紹介を通じ、当社が提案するスウェーデンの優れた住思想や家づくりへのこだわりに共感いただき、実空間と変わらない接客体験を提供する新たなウェブサービスの共同開発がスタートしました。
2020年5月にスウェーデンハウスのウェブサイト上で「3Dウォークスルー」内覧サービスを開始し、関東エリアの7モデルハウスを公開しましたが、コロナ渦によりゴールデンウィーク期間中のモデルハウス来場が昨年対比でマイナス95%に急落。VRの必要性を実感したことが、本サービス開発のひとつのきっかけです。
――本サービスの開発にあたり工夫した点や苦労した部分はありますか?
VR モデルハウスウォークスルーは、体験していただくお客さまに、実空間と変わらない接客体験を提供することを目的に開発しています。オリジナルの3Dキャラクターを複数用意し、お客さま自らキャラクターを選ぶことにより、営業スタッフに現地で説明を受けている状態により近い感覚で、3D上でも長い時間モデルハウス内に滞在していただけるよう心掛けました。
また、チャットボットの内容について、高性能な住宅である点など企業として全モデルハウスに共通したアピールポイント、間取りの工夫やインテリアの注目すべき点など、個々のモデルハウスで訴求したい部分をすべてデータベース化しました。その過程で、全国の営業スタッフのトークを集約・精査するといった作業に、多くの時間と労力がかかりました。
――VRモデルハウスウォークスルーを今後どのようなサービスに成長させていきたいですか?
現在は、実在するモデルハウスを3Dでご案内していますが、今後は施工前の建物をフルCGでご覧いただける機能を搭載する予定です。最終的には、壁の移動や建具の交換、クロスや床材の変更、家具やファブリックの入れ替えなど、お客さま主導で空間を創造していただくことを目指しています。