内容はどう決める? Instagramの運用ディレクターが、企業アカウント投稿のノウハウを解説

内容はどう決める? Instagramの運用ディレクターが、企業アカウント投稿のノウハウを解説
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 企業による情報発信の手段として活用されることも多いSNS。本連載では、そのなかでもInstagramのクリエイティブにフォーカスします。企画から投稿にいたる各フェーズでおさえるべきポイントやクリエイティブづくりの基本を、FinTで運用ディレクターをつとめる荻津こはるさんが解説。初回となる今回は「企画」がテーマです。

 はじめまして。SNSマーケティング支援事業を展開するFinTで運用ディレクターをしている荻津こはるです。普段は企業さまのInstagram運用に関する企画立案・制作進行・検証を行っており、投稿に用いるクリエイティブを撮影する部分から担当しています。

 本連載では、「企画」「撮影準備」「撮影当日」「投稿」の4つに分けてノウハウをお伝えしていきます。フォロワー数が伸び悩んでいる方、これからInstagramの運用を始めてみたい方、何から始めればいいかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

 初回のテーマは「企画」です。Instagramアカウントの中でも食品系やコスメ系、アパレル系などさまざまなジャンルがありますが、今回は主にコスメ系アカウントを例にあげて説明していきます。

情報収集のツールとしても使われるようになったInstagram

 Instagramはもともと一般ユーザーが利用する写真共有アプリとしてリリースされましたが、さまざまなアップデートを重ね、今では企業の購買促進・PRも可能なひとつの重要なツールへと変化しました。結果として、企業の情報発信が増加。一般ユーザーもただ投稿をするだけではなく、情報収集ツールとしてInstagramを使用するようになりました。

 Instagramで情報収集をするユーザーが増える中、企業はシンプルに自社商品の写真を投稿するだけでは、アカウントのフォロワー数を伸ばしづらくなっています。ユーザーは企業の投稿の中に「自分の役に立つ情報があるか」を見ようとするため、ユーザーにも有益と思われる投稿を戦略的に行う必要があるのです。

 Instagramの投稿はTwitterとは違い画像がメインとなるため、視覚的にわかりやすく情報を伝えなければなりません。また、Instagramはアカウントのトップページに投稿が一覧で表示される点にも留意する必要があります。1投稿ごとの見せかたや伸ばしかたに力を入れるだけでなく、アカウント全体を俯瞰して見た時の統一感やデザインの構成が重要となります。

 ユーザーがアカウントをフォローするとき、次の図のように、アカウントを俯瞰して見た時のビジュアルはもちろん、情報の質も大きな決め手になります。

出典:「FUN AZUM / ファンアズム(公式)」アカウント

出典:「FUN AZUM / ファンアズム(公式)」アカウント

 では、そんな投稿のクリエイティブはどのようにして作っていけば良いのでしょうか。

投稿内容を決めるための「投稿軸」とは

 アカウントを運用するにあたり、まずやらなければならないのは、「投稿の方針を決めること」です。

 先ほどお伝えしたように、単純にビジュアルの整った広告用の写真を載せるだけではフォロワー数増加につながりません。現在のユーザーが、Instagramを情報収集の手段として利用しているからこそ、「企業アカウントとして、ひとつの投稿で何を伝えたいのか」から掘り下げ、投稿内容やクリエイティブの方針を決める必要があります。

 アカウントのフォロワー数を伸ばすことを目的にした際、その投稿内容を決めるときに重視すべきなのは、仮説検証をしやすくするために再現性を持たせることです。毎回その場で思いついた案を撮影して投稿してしまうと、せっかくの投稿も効果を検証することが難しくなってしまいます。

 たとえばコスメのアカウントでシートマスクの写真を投稿する場合、机に中身を出して上から撮影するのか、手に持った使う瞬間の様子を撮影するのかなど、ひとつの商品ごとに「投稿の軸」を考えると良いでしょう。

出典:「アンレーベル公式」アカウント

出典:「アンレーベル公式」アカウント

 しかしそういった投稿の軸を持てるのは、ある程度運用し、過去の投稿が溜まってからのこと。まだ投稿が少ない運用初期は、どのような内容が伸びるかはっきりしていません。

 運用を始めたばかりのときは、同じコンテンツを、画角や小物を変えながら複数回投稿することで、投稿の軸を定めていくのが良いでしょう。複数回投稿しているうちに伸びやすい投稿の軸が見えてきます。その軸が、アカウントで人気の投稿内容というわけです。

 ですが、運用が軌道にのるまでは、特定の投稿軸に絞った投稿を行うことはあまりオススメしません。投稿のマンネリ化を招きやすいこと、アカウントの規模感が成長段階にある場合、早期に軸を絞ることでユーザーの興味関心からズレる可能性が高くなるといった理由からです。

 投稿数や頻度・アカウントの状態にもよりますが、どの投稿が伸びるかを正確に判断するには大体3~6ヵ月ほどの期間が必要です。運用がある程度慣れてきても、一定期間は最初に決めた投稿軸に沿って、投稿内容の検証を進めると良いでしょう。

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