はじめまして。RANA UNITEDグループ代表の木下 謙一です。
RANA UNITED(ラナユナイテッド)は、3つのデザインカンパニー(ラナデザイン 、ラナエクストラクティブ、ラナキュービック)と、複数のスペシャリストチーム、そのほか実験的なラボやプロジェクトを包括するデジタル・クリエイティブグループです。デザイナーやエンジニアをはじめ、多様なスペシャリストが在籍しており、そうしたメンバーの力をかけ合わせることで、クライアントの課題解決に必要なあらゆるコミュニケーションを設計・実装しています。
本連載では、デジタルからオフライン領域にいたるまで媒体を横断したトータルなクリエイティブディレクションを強みとするRANA UNITEDが、ブランディングを手掛ける際に大切にしていることをお伝えしていきます。初回と第2回では、「そもそも、ブランディングとはなにか」について考えていきたいと思います。
なぜブランディングが必要なのか
突然ですが、「ブランド」にどのようなイメージを持ちますか?
「ブランド品」という言葉があるように、日本では「ブランド=ハイブランド、高級品」というイメージを持つ方が多いかもしれません。それに関連して「ブランディング」は特別な業種、サービスのみに関係することとイメージされるためか、「自分のビジネスには関係ない」と感じる場合もあるかと思いますが、それは違います。
ブランドは商品やサービスが発するメッセージです。高級か、手ごろであるかに関わらず、何らかのメッセージをマーケットに対して発することは不可欠です。
ハイクラスのブランドはそもそも伝えたいメッセージが明確であることが多いので、ブランドを確立させやすいとも言えます。また逆に手頃な価格を売りにしたブランドも、メッセージは明確であると言えるでしょう。
100万円のバッグ、あるいは3000円のバッグの売り出しかたを想像してみると考えやすいかもしれませんが、世の中にある企業やブランドはその中間層がほとんど。1万円のバッグ、3万円のバッグ、10万円のバッグなど、その中でも幅広いグラデーションで存在しています。そうした中間の層にこそとくに「ブランディング」は重要であると考えています。
言葉としての「Brand(ブランド)」の語源は、焼印を押すという意味の「Burned」が由来で、自分の家畜と他人の家畜を間違えないよう焼印によって区別していたことが始まりです。その語源はとても示唆に富んでおり、「ブランディング」では他のものと識別・差別化すること、またそれを他人にも認識してもらうことが大切であるということがわかります。