業界別AR事例13選!顧客体験を豊かにするAR活用方法のヒント

業界別AR事例13選!顧客体験を豊かにするAR活用方法のヒント
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2022/02/20 00:00

 ARの活用が各方面で進んでいる。コロナ禍もあり、ますます注目が集まる中で、今回は活用事例を業界別に13例紹介する。実際にどのような企業がどのようにARを活用しているのかを見て、効果的にARを導入するための参考としてもらえれば幸いだ。

農業・建設業・食品業界

 農業や建設業、食品業の中でも食品業界では、ARの導入が進みつつある。生産支援にARが活用されるという事例が多い。では、どのように活用されているか見てみよう。

Plant Vision「Plant Vision」

 スウェーデンのPlant Vision社による「Plant Vision」は、水耕栽培など室内での農作物の育成状況や、温度、湿度などの情報を表示、農作物をAIが画像判断し異常があれば検知する。スマートフォンやウェアラブルデバイスに対応している。農業をはじめとして、あらゆる生産プロセス改善や品質管理をサポートしている。

コマツ「スマートコンストラクション」

 建設業では、慢性的な人材不足に悩まされている。コマツの「スマートコンストラクション」では、従来人が行っていた測量や施工図面に基づく現場作業を、ICTを駆使して正確に実行する。グローバルな重機メーカーとして知られる同社だからこそ得られた長年の知見を、作業の安全性や正確性の向上、進捗管理に活用している。

森永乳業「マウントレーニアAR花火」

マウントレーニアAR花火
プレスリリースより画像引用

 森永乳業のコーヒーブランド「マウントレーニア」のノンシュガータイプには、商品を購入した人にARで花火を楽しめる工夫が凝らされている。コロナ禍で多くの花火大会が中止になってしまったことを受け、ユーザーと花火業界の応援、商品のコンセプトである深い癒しをかけ合わせたキャンペーンを展開。そこにARを取り入れた事例だ。

製造業界

 製造業でのAR活用事例は、生産機器の操作方法や稼働状況などの情報表示に加えて、トラブル対応ができるようなサポート機能を備えたものが多い。知識や経験に乏しくても判断や対応ができるようにするのが目的だ。作業を中断させることのないよう、ウェアラブルデバイスが好まれているといえる。

日本マイクロソフト「HoloLends2」

HoloLends2」は、製造業向けのウェアラブルデバイスの代表格だ。ハンズフリーで作業ができる。装着すると生産機器の操作方法や稼働状況などの情報がホログラムで表示され、万が一のトラブルの際にはビデオ通話でリアルタイムにサポートを受けることもできる。製造業だけではなく、医療や教育の現場などで幅広く利用されている。

Google「Glass Enterprise Edition 2」

Glass Enterprise Edition 2
プレスリリースより画像引用

Glass Enterprise Edition 2」もHoloLendsシリーズ同様に、製造業をはじめとするビジネスの最前線のサポートをARで実現している製品だ。大きな違いは、情報の表示方式や本物の眼鏡のようにスタイリッシュなデザイン性と本体の軽量さ、デバイスに触れることによる操作がある点だといえるだろう。

Nreal「Nreal Light」

 Nreal社の「Nreal Light」もハンズフリーのウェアラブルデバイスで、サングラスのようなデザインが印象的な製品だ。完全なワイヤレスではなく、ケーブルをスマホに接続する必要がある。こちらは一般ユーザー向けのため、会議も可能だが動画鑑賞やゲームなどエンタメでの利用を前面に押し出している。Nrealは中国の企業で、日本ではKDDIと提携、同社経由で販売される。

小売業界

 小売業でのAR活用事例は、基本的に販売促進を目的とする。販売企業に向けたBtoBの事例も、直接顧客にアプローチするBtoCのAR事例もあるので、どちらのケースも紹介していこう。

リビングスタイル「RoomCo AR」

 リビングスタイル社の「RoomCo AR」は、家具の試し置きができるアプリだ。家具メーカーなどを顧客とするBtoBモデルとなる。ユーザーは、FrancfrancやIDEE、ニトリなどの家具や家電、楽器、アート、観葉植物など、27ブランド約8,000点のアイテムを自分の部屋に合うかシミュレーションすることが可能だ。

Lolozem「AR FACE」

 韓国Lolozem社は同社のアクセサリーをARで試着できるアプリ「AR FACE」をリリースしている。ファッションアイテムを生産するメーカー向けのBtoBモデルだ。同社のAR試着サービスを導入するECサイトでは、試着したユーザーが気に入ればその場で購入することも可能。 

Amazon「バーチャルメイク」

Glass Enterprise Edition 2
プレスリリースより画像引用

 「バーチャルメイク」では、さまざまなメイクアイテムのお試しが可能だ。こちらはエンドユーザー向けのBtoCモデル。18ブランド約900点のアイテムを、用意されているモデルまたは撮影した自分自身の顔で試すことができ、お試しした際の画像を保存することも可能になっている。

観光・飲食業界

 観光業や飲食業でもARの事例が多くなりつつある。観光業界では、名所や史跡の解説などに用いられることが多い。飲食業界では、宅配でどれにしようか迷う際に3DCGをスマホに表示させたり、テーブルの上に料理を置いたりすることもできるようになってきている。BtoBとBtoC、いずれのパターンもある。

凸版印刷「ストリートミュージアム」

 失われてしまった史跡をARで再現しているのが、凸版印刷のARアプリ「ストリートミュージアム」だ。現地では再現ARに加え、街ブラ情報も見ることができるBtoBモデル。旅行前や旅行後にも楽しめるようにすることで、観光体験を豊かにしようとしている事例だ。今後もコンテンツを拡充し、さらなる集客につなげようとしている。

ドミノピザ「ピザサイズチェック」

ピザサイズチェック
プレスリリースより画像引用

 ピザを注文する際によくある「サイズ感がわからない」という課題の解決をARで試みているのが、ドミノピザのピザサイズチェックアプリだ。スマホをとおして、自分が今いる場所に5種類のサイズすべてを同時に表示させることが可能なので、比較した上で注文に進むことができる。

サービス・エンタメ業界

 サービス業やエンタメ業では以前からARを使用したサービスが提供され、枚挙にいとまがない。サービス業ではサービス提供に必要なサポートを、エンタメ業ではイベントやゲームなどにARが活用されている。

東芝デジタルソリューション「Meister AR Suite」

Meister AR Suit Meister AR Suit
プレスリリースより画像引用

 東芝デジタルソリューション「Meister AR Suite」は、技能の習得や技術継承にARを活用しているBtoBの事例だ。サービスに必要な機器の操作方法や熟練した技術者のノウハウをARに落とし込み、初心者でも操作ができるようにしている。研修コストの圧縮や技術伝承をサポートするのが狙い。

JAMCiTY LUDIA「Jurassic World アライブ!」

 ARとGPSの掛け合わせで実際の街中に恐竜を潜ませ、それを見つけたり、餌を与えて育てたり、バトルで強くしたり、DNAを集めて新種を生み出したりするシミュレーションゲームが、JAMCiTY LUDIAの「Jurassic World アライブ!」だ。エンドユーザー向けのBtoCモデル。3DCGにUniversal Picturesが関与していることもあり、グラフィックの美しさは映画に引けを取らない。