松屋フーズ、接客トレーニングにVRを導入しゲーム感覚で気持ちのよい接客を体得 開発には積木製作も

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2019/09/25 13:30

 eラーニング専門ソリューション企業「デジタル・ナレッジ」は、松屋フーズに、フルCGバーチャルリアリティ(以下、VR)を活用した、新人アルバイト向け接客トレーニングのVRソリューションを提供した。

 同VRトレーニングは、顧客にとって気持ちのよい接客を、仮想空間の中で能動的に実践して体得できる研修コンテンツで、本年8月より一部店舗で先行実施されている。

 同VRトレーニングの特徴は「判定」機能。お冷を入れる、トレーを運ぶといった1つひとつの動作はもちろん、店舗での接客に欠かせない「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などの声掛けの大きさや速度、目線などに対し、定められた基準に達しているかを確認し、クリアできなければ前に進めない自動判定機能を搭載している。ゲーム感覚で取り組んでいるうちに自然と声を出せるようになるなど、顧客にとって気持ちのよい接客や正しい動作を無理なく促す仕組み。

 また、ナレーションや各種ナビゲーションを付加することで、仮想空間の中でも迷いなく、かつ能動的なアクションを妨げないような工夫がなされている。

 仮想空間に再現されたリアルな店舗で実際に接客を実践することで、正しい動きや感覚を効率よく体得できる研修を実現。日本語のほか、ベトナム語、中国語にも対応しているため、外国人スタッフへのトレーニングでも効果が期待される。

 また、これまで各店舗のトレーナーが経験に基づいて判断していた部分を標準化することで、実店舗の状況や人に左右されない、OJTの質の均一化を図ることが可能となった。

 同VRトレーニングは、ヘッドマウントディスプレイを装着するだけで、店舗の事務所など狭いスペースでも座ったままで実施可能。

 松屋フーズは今後、牛めしの松屋やとんかつ業態を含む、全国1,170店舗で同VRトレーニングの導入を進める予定。また、調理やクレーム対応、社員研修など、さまざまな用途へのVR活用を検討している。

 なお、同VRトレーニングは、松屋フーズのVRプロジェクト「MaVROS(Matsuya VR Operation System):マブロス」の第1弾の取り組みとして、CGやVRの制作分野で実績を持つ積木製作とともに開発した。