株式会社FinTでチームディレクターを担当している高橋です。前回まではおもに、アカウントの運用目的の設計について解説してきました。最後となる今回は、投稿後の振り返りについて紹介したいと思います。
アカウントの運用目的、フェーズによって振り返りの方法が異なります。今回はもっとも多いケースである、Instagram上で認知度を広めるフェーズのアカウントの振り返り方法を解説します。
認知度があまり高くないアカウントの場合、振り返るべきは「各投稿のインサイト」と、アカウント全体での「“フォローする”魅力づけ」のふたつです。
1.各投稿のインサイト
まず、各投稿のインサイトを見るには、次のように3段階のステップをふむと良いでしょう。
ステップ1)投稿直後の既存フォロワーからのリアクションはどうか
多くの人に届く投稿にするために、まずは投稿直後の既存フォロワーからの初速のエンゲージメント数(とくに保存数)を確認することが重要です。なぜなら、投稿直後に既存フォロワーの中で評価されない場合、投稿の外部露出は増加しづらいため、既存のフォロワーが求めている投稿を検証するようにしましょう。
アカウントの乱立が進んでいる昨今のInstagramでは、キャンペーンによって広告を回すことでまずアカウントの認知度と好意度を広げるという手段も有効です。
ステップ2)発見タブからの流入数はあるか
投稿直後のエンゲージメントが獲得できた場合、次に見るのは発見タブからの流入数です。発見タブからの流入数が高ければ高いほど、フォロワー外のユーザーがその投稿を「タップしたいと思っているか」を測ることができるからです。ファン化の進んだ既存フォロワーと比較すると、フォロワー外のユーザーはサムネイルで投稿をタップするか否かを判断するため、この数値が低い場合はサムネイルの改善が必要です。
ステップ3)フォロワー以外のエンゲージメント数が高いかどうか
次に見るのは、フォロワー以外のユーザーからのエンゲージメント数です。この数値は直接測ることはできませんが、発見タブからの流入など、フォロワー外からの流入に応じてエンゲージメント数も増えているかをチェックすることで把握が可能です。フォロワー外のユーザーの反応(保存など)を引き出せる場合、その投稿は広くユーザーの興味関心を集めているということになります。そのため、これらをすべてクリアできた投稿は、どんどんリーチを伸ばしていきます。
この一連の振り返りでは、約1週間の期間を空けて確認すると良いでしょう。おもに保存数を中心としたエンゲージメントを測り、その投稿がどれだけ新規のユーザーにとって情報価値が高いかで、投稿の質を検証することができます。