Spotifyが30万タイトルのオーディオブック販売へ 市場で強いのはAmazon
オーディオブックは書籍市場全体ではニッチといえるが、市場そのものが非常に巨大であり、6〜7%の割合でもその規模は小さくない。この数字はSpotifyの発表で言及されたもので出典は不明だが、ほかのデータからどれほどの規模かを推察することは可能だ。
Statistaのまとめによると、2021年世界の書籍市場規模は1230億ドルで、このうち印刷書籍は1,071億ドルと全体の86%を占めた。残りの14%、161億ドルが電子書籍となっている。明示されていないが、おそらくこの電子書籍にオーディオブックが含まれているものと思われる。仮に、1,230億ドルの6%がオーディオブックであるとすると、その規模は73億ドルとなる。
一方、2022年7月にAcumen Researchが発表した市場調査レポートによると、2021年世界のオーディオブック市場は41億5,900万ドルだった。今後年率26.5%で成長し、2030年には335億ドルに達する可能性があると言う。
一方、別の調査会社であるGrand View Researchの記事では、2021年のオーディオブック市場規模を42億ドルと推計、2030年まで年率26.4%の成長が続くと見込んでいる。これらの市場調査から世界のオーディオブック市場は現在40億〜70億ドルのレンジにあると推察できる。
このオーディオブック市場では現在、Amazon傘下のAudibleが市場トップのシェアを占めているとみられている。2018年2月にウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたCodex Groupの調査によると、オーディオブック市場におけるAudibleのシェアは当時41%だった。また、Audibleに続きAmazonが独自に販売しているオーディオブックがランクイン。Amazon以外ではiTuneのオーディオブックが健闘しているが、ほかに目立ったプレイヤーはなく、実質的にAmazonがこの市場の半分以上を占めていたことになる。