どのようにAmazonの牙城を崩すのか Spotifyのオーディオブック市場におけるシェア獲得の取り組みとは

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2022/10/19 08:00

ポッドキャストとオーディオブックの親和性

 Amazonが大半を占めるオーディオブック市場だが、Spotifyはポッドキャスト人気を活用しながらオーディオブックユーザーを獲得し、シェアを伸ばすことができるかもしれない。インターフェース上、Spotifyユーザーは音楽、ポッドキャスト、そしてオーディオブックをワンストップで利用できるようになるためだ。

 またポッドキャストとオーディオブックのユーザー年齢層が似ていることも、Spotifyに有利にはたらく可能性もある。

 2019年にOverdriveが実施したアメリカでのオーディオブック利用調査によると、オーディオブック利用がもっとも多いのはミレニアル世代であることが判明した。その割合は49%にのぼる。また、Z世代では47%がオーディオブックを利用していると回答。一方、X世代では31%、団塊の世代では20%にとどまっており、ミレニアル世代とZ世代が市場を牽引していることが明らかになった。

出典:BookRiot「MILLENNIALS AND GENERATION Z DRIVE AUDIOBOOK LISTENERSHIP」
出典:BookRiot「MILLENNIALS AND GENERATION Z DRIVE AUDIOBOOK LISTENERSHIP

 一方、Buzzsproutのまとめ(2022年9月時点)によると、アメリカでポッドキャストをもっとも聴いているのは、Z世代とミレニアル世代を含む12〜34歳の層であることがわかった。その割合は50%。35〜54歳のグループでは43%、55歳以上では22%と年齢が高くなるにつれ、ポッドキャスト利用率が下がる傾向が確認されている。

 ポッドキャストはもともとAppleの牙城であった市場だが、2015年頃にSpotifyが参入し、またたく間にAppleと首位を競うまでに勢力を拡大。2021年9月にForbesが伝えたBuzzsproutのデータによると、同年8月のポッドキャスト市場のシェアは、Spotifyが31.7%で首位、Appleが26.9%で2位だった。一方、Buzzsproutの2022年9月時点の最新データによると、現在Appleが39.3%で首位、Spotifyが26.6%で2位という状況だ。

 Spotifyはオーディオブック市場でAmazonにどこまで詰め寄ることができるのか。今後の展開に注目していきたい。