魅了されたのは「Canvaのカルチャー」
――まずは、植山さんのご経歴とクリエイティブ業界の変化について教えてください。
SymantecやDropboxなどグローバル企業での勤務を経て、 2019年にCanvaに入社しました。前職のときにCanvaのメンバーから「日本に行くので会わないか?」と連絡をもらい、ランチをした際に「Canvaにジョインしてほしい」と声をかけてもらったことが最初のきっかけです。
当時働いていたDropboxは、カルチャーがとてもフィットしており大好きな会社でした。5つのバリューが社内に浸透しており、クレバーなメンバーたちが集まっていた。そのため転職は考えていなかったのですが、「シドニーに移住するのはどうか」との提案もあり、しジョインすることも視野にいれるようになりました。
最終面接でシドニーに招いてもらった際には、Canvaのいろいろなメンバーと話す機会がありました。仮に転職するのであれば、Dropboxのような企業で働きたいと考えていたため、どういうカルチャーの会社なのかを知りたいと思っていたのですが、Canvaにも素晴らしい文化があることを感じたんです。創業者のクリフも非常にフレンドリーで、「この会社いいなぁ」と。そういった経緯で、2019年8月にCanvaにジョイン。同時に東京からシドニーに移住しました。
私はカントリーマネージャーとして日本の事業成長全体を担当しています。現在、日本のチームは30人弱。多くは日本にいますが、ヨーロッパやアメリカに住んでいるメンバーもいます。また、日本以外の非英語国で、深いローカライゼーションにも注力しています。。
クリエイティブをとりまく環境で言えば、YouTube、Instagramなどの投稿をはじめ、作品を作りそれらを見せる場が非常に増えました。それにともないクリエイターの数も年々増加しており、国内のクリエイター数は2022年で約822万人と推計されています。そのため、今までは「クリエイティブなものを作る」ためのサービスやプラットフォームが、クリエイターではない人にもオープンになり民主化していくのは、非常に自然な流れだと考えています。
幸いCanvaは、デザイナーでない人たちが簡単にデザインできるプラットフォームです。そういった意味では、時代が向かっている先と僕らのミッション「あらゆる人がデザインで輝ける社会をめざす」も一致しているのではないでしょうか。
――Canvaはどのような背景で生まれたのですか?
創業者のメラニー・パーキンスがデザインソフトウェアを学生たちに教えていたときに、生徒たちがその学習に苦戦しているのを見て「なんでデザインすることが難しいのだろう。もっと簡単であるべきではないか」と思ったのが創業のきっかけです。ただ、2013年の創業時は卒業アルバムのデザイン制作ツールから始まりました。
Canvaはシリコンバレーなどスタートアップの聖地からは遠いオーストラリアのパースを拠点としていたため、はじめは資金集めに苦労していましたが、趣味のウィンドサーフィンをきっかけに投資家へのピッチに成功。今ではシドニーを拠点としたユニコーン企業へと成長しています。
2020年5月に、まずは私ひとりで日本専属のチームを立ち上げ。現在はデザインチーム、マーケティングチーム、コミュニティチームの3つを中心に、日々サービスの改善を進めています。