要望が多かったのは「ふくろ文字加工」 のしなど日本ならではのテンプレも多数用意
――Canvaにはどのような特徴や強みがあるのでしょうか。
製品としては、13歳と10歳の私の娘でも難なく使いこなせるくらい「誰でも手軽に使えること」、「スマホやパソコン、タブレットでも利用できる」ことなどが特徴ですが、そのほかにもさまざまな新機能を搭載しています。
そのひとつが、2年前から強化しており現在は500を超える「日本語フォント」。ちょうど1年前に個人のTwitterでどんな機能がほしいかを尋ねたところ、断トツでリクエストが多かったのが「ふくろ文字加工」でした。そこですぐに社内の担当エンジニアに依頼し、最近実装が完了。それ以外にもリクエストの多かったレイヤー機能をリリースするなど、ユーザーさんの声をもとにした機能開発を行っています。
ついに袋文字を作れるようになりました!
— CanvaJapan (@CanvaJapan) March 25, 2023
文字を選んだら、あとはフチの色と太さを選ぶだけ。スマホアプリでもできます。#Canvaの無料機能 pic.twitter.com/31Xy2V5f4X
またCanvaを語るうえで欠かすことができないのは、たくさんの「デザインテンプレート」です。日本語のテンプレートには、英語で作成したテンプレートを和訳し日本に提供しているローカライズドテンプレート、日本人のデザインチームがゼロからつくるデザインテンプレート、Canvaクリエイターによるテンプレートの3つがあります。
ローカライズドテンプレートでは、日本語として誤りがないか、改行に違和感がないかなどを専門のレビューチームがチェックする体制を整えています。日本のデザイナーチームが制作しているテンプレートには、「のし」や「履歴書」など日本ならではのフォーマットも多数用意。昨年2月には、日本のビジネスシーンに最適化された日本オリジナル「プレゼンテーションテンプレート」として103種類を公開しました。
Canva公認のクリエイターが制作し、提供しているテンプレートも多数あります。ユーザーは、どのクリエイターが制作したテンプレートであるかを確認することができるため、それがきっかけで新たな仕事につながったというCanvaクリエイターもいました。
一方、会社としての強みはふたつあります。ひとつは、創業者たちの志が非常に大きいこと。Canvaでは「世界で一番価値ある会社になる」「世界で最も良いことをする」のふたつを2Step Planとして掲げています。いちばん価値のある会社になれば、良いことをする元手になりますし、良いことをすれば多くの人に「こんな会社良いな」と思ってもらうことができる。それがCanvaとしての企業価値向上にも寄与するだろうという考えかたです。創業者のふたりは寄付のための団体「Canva Foundation」を設立するなど、「良いことをすること」にベクトルが向いている点も特徴です。
ふたつめは、6つのCanvaバリューが企業内に浸透しており、それが行動に結びづいている点、つまり良い企業文化を持っていること。3つめは、そういったカルチャーを土台に高い目標は設定し、スピーディーな開発を行っていること。これらがCanvaの競争の源泉だと考えています。