クリエイターがコンサル的思考力を身につけるための3つの勘所とは I&CO間澤さんが語る

クリエイターがコンサル的思考力を身につけるための3つの勘所とは I&CO間澤さんが語る
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2019/11/25 08:00

 ニューヨークを拠点に世界で活躍するクリエイティブディレクター、レイ・イナモト氏が率いるビジネスインベンションファーム「I&CO」。今年7月、その東京オフィスである「I&CO Tokyo」が開設された。元PARTY(クリエイティブラボ)の高宮範有さんとともにI&CO Tokyoの共同代表を務めるのが、今回話を聞いた間澤崇さんだ。アクセンチュアでコンサルタントとしてさまざまな企業戦略を手がけてきた間澤さんがクリエイティブの世界に身を転じた経緯や、I&CO Tokyoの中で担う役割とは。また、コンサルティングの視点で見たクリエイティブの強みと課題、これからのクリエイターに求められるコンサル的思考の重要性などについても話を伺った。

世界のレイ・イナモト氏に問い合わせフォームからアプローチ

――ファンドマネージャー、戦略コンサルタントというキャリアを歩んできた間澤さんが、I&CO Tokyoの立ち上げに関わることになったきっかけは何でしょうか?

もともと、クリエイティブの世界にはとても興味がありました。実は、小学生の頃からプロダクトデザイナーになりたいと思っていて、デッサンの勉強などもしていたんです。その思いは残しながらも、大学卒業後、金融そしてコンサルティングの道に進んだのですが、はからずも数年前からアクセンチュアがいろいろなクリエイティブ系の会社と提携したり、買収したりするケースが増えてきました。これは自分もクリエイティブの領域に行けるチャンスがあるのではないかと思い始め、いろいろと調べていく中で、あるときWebの検索で見つけたのが、レイが標榜する「Business Invention」というキーワードです。

2017年当時は「Innovation(イノベーション)」という言葉が流行していましたが、私には「Invention=発明」のほうがピンときました。気になって掘り下げて調べてみると、レイや彼の会社であるI&COが発信しているメッセージは「クリエイティブは一過性で終わってはいけない」「ビジネスに継続性を持たせられなければ意味がない」など共感できるもので、やっていることもかなりおもしろい。それで、公式サイトの問い合わせフォームからレイ宛てに「ぜひ一緒にやりましょう」とメッセージを送ったんです。

I&CO Tokyo 共同代表/ビジネス・ストラテジー ディレクター 間澤崇さん
I&CO Tokyo 共同代表/ビジネス・ストラテジー ディレクター 間澤崇さん

――かなり思い切ったアプローチですね。

良くも悪くも、私がレイ・イナモトのことをよく知らなかったからできたのだと思います(笑)。もし知っていたら、さすがに躊躇したかもしれません。

幸いレイはすぐに反応してくれて、ときどきオンラインチャットツールでやりとりしたり、彼が来日したときには会いに行ったりするようになりました。その中で今、一緒に代表を務めている高宮とも引き合わせてもらい、諸々の準備を経て、今年の7月1日にI&CO Tokyoの設立に至りました。

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