生成AIと作るショートムービー 「Runway Gen-2」と「Canva」を組み合わせたワークフローとは

生成AIと作るショートムービー 「Runway Gen-2」と「Canva」を組み合わせたワークフローとは
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 この連載では、XRやAIといった先端テック×クリエイティブの分野で活動し、企業のR&D支援を行うCHAOSRUの内藤薫さんが、生成AIブームへの期待と不安を抱えるクリエイターに向けて、その実態と未来像を探っていきます。第4回では「Runway Gen-2」を活用しながら、物語のある実写ドラマを制作できるかどうかを実験していきます。

 初回の記事では動画生成AIの概要を、第2回第3回の記事では、実際に「Runway Gen-2」を使いながらPR風の動画を制作するフローを紹介してきました。

 今回は、PR動画やミュージックビデオのような雰囲気や世界観で勝負するものではなく、Gen-2で物語のある実写ドラマを制作できるかどうかを実験していきたいと思います。動画素材だけでなくストーリーづくりなどさまざまなシーンで生成AIを取り入れるほか、編集ツールとしてCanvaの動画機能を使用。総合的に新しいワークフローに挑戦しました。

完成動画

 まずは完成動画をご覧ください。なお私は「映像ディレクション経験はあるが、物語性のある実写ドラマを作ったことはない」というステータス、制作期間は1~2日程度です。プロ作品として通用するかどうかよりも、これまで制作経験がないライトなクリエイターが生成AIとドラマを制作するとどのような作品ができそうか、といったカルチャー変化の観点から見てみてください。

 これは「現代のかぐや姫」をモチーフにした3分程度の短編です。生成AIの出力結果のほかいろいろと粗はあるものの、短時間である程度の形までは仕上げることができました。さらにしっかり制作時間を設ければ、さらに質を上げることができるかもしれません。

 それでは、早速実際の制作フローを紹介していきましょう。

ストーリー制作 × ChatGPT

 「実写ドラマのショートムービーを作る」を課題としたものの、私は実写ドラマを作ったことがないためどのような作品にすれば良いのかイメージが湧きませんでした。ここで、ChatGPTの力を借りてストーリーを考えていきます。

 テーマだけは何らか設定することにします。昔話を現代のモチーフに置き換えるようなストーリーに興味があったため、次の設定で指示を出しました。

かぐや姫の物語を、現代のSNS社会をモチーフに新しいストーリーにしてください

 ChatGPTの回答は次のとおりとなりました。

タイトル:SNSのかぐや姫

 ある日、都会に住む若いビジネスウーマンのかぐやは、山の中で不思議な輝きを放つスマートフォンを見つけました。そのスマートフォンには特別なSNSアプリがインストールされており、投稿によって幸福や富を手に入れることができると言われていました。

 かぐやはこの新しいSNSアプリを使い始め、次々と美しい写真や魅力的な投稿をシェアしました。彼女の投稿は瞬く間にバイラルとなり、多くのフォロワーが彼女を賞賛しました。彼女は人々の注目を浴び、高級レストランでの食事や贅沢な旅行など、夢のような生活を楽しむようになりました。

 しかし、かぐやは次第にSNSの虚栄心と依存にとらわれ、投稿に費やす時間が増え、本来の人間関係や幸福感を見失っていきました。彼女は自分の本当の価値がフォロワー数や「いいね!」の数に依存していることに気づきました。

 ある日、かぐやはスマートフォンの画面に映し出された月の中に、本当の幸福があることに気付きました。彼女はSNSアプリを削除し、山に帰りました。月の中から現れた仙女はかぐやに微笑みかけ、「真の幸福は自分自身と他人とのつながり、そして自然との調和から生まれるものだ」と言いました。

 かぐやは都会を離れ、自然と共に過ごす新しい生活を始めました。彼女はSNS社会の虚栄心から解放され、本当の幸福を見つけました。そして、かぐやは自然と人々とのつながりを大切にし、その美しい経験をSNSでシェアすることで、本当の価値を広める使命を見出しました。

 この物語は、SNS社会の中で現代のかぐや姫が自己価値を見つけ、本当の幸福を見つける過程を描いています。それは数字や外部の承認ではなく、自己認識と人間関係から生まれるものであることを示唆しています。

 なかなか上手い再解釈だなと思いましたがいかがでしょうか。おそらく自分だけでは思いつかなった構成のため、ストーリー制作が不得意な私にとって、ChatGPTはとても役立ちました。

 いくつか設定に調整を加えながら、実際のシーンを構成していきます。なお、ここで詳細なシナリオを書き出すと時間がかかりそうだったため、セリフは編集後のつなぎを見ながら考えることにしました。

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