はじめまして。D2C IDプロデューサーの堀内麻貴と申します。
この記事では、大塚製薬オロナミンCドリンク(以下オロナミンC)のプロモーションのために行ったTikTok施策「#じいじばあば最強説」に焦点を当て、企画の考えかたや制作の裏側について紹介していきます。
感じていた若年層の認知低下 注目したのは「認知ルート」
1965年2月に販売が開始された、ビタミンCをはじめとする各種ビタミンが入った炭酸栄養ドリンク「オロナミンC」。ご存知の方も多いと思いますが、ロングセラーブランドならではの「若年層の認知低下」が課題のひとつでした。
しかし若い世代がオロナミンCを見たことも聞いたこともないのかと言うとそうではありません。SNSでリサーチを行っていくと、「おじいちゃん家に行くとある」「いつも親が飲んでいる」「おばあちゃんからもらった」など、自分の親や祖父母など身近な家族経由で目にしていることがわかりました。
TikTokで発見したインサイト カギは、オロナミンCの魅力を知る「シニア層」
さらにSNSでのリサーチを進めていくと、TikTok上では「好き」を全うするシニアたちがいました。最新機種のスマホを使いこなし畑仕事の休み時間に孫のInstagramをチェックしていたり、VRゴーグルを体験していたり、推し活を楽しんでいたり、ライバーとしてライブ配信をしていたりと、とても活発な姿が見えてきました。
そして、そんなおじいちゃん、おばあちゃんたちを撮影しSNSで発信しているのはデジタルネイティブ世代の孫たち。
本来、若年層ユーザーが多く集まるTikTokというプラットフォームのなかに、孫たちが自身のおじいちゃんやおばあちゃんのかわいい様子を発信していく。そのチャーミングさに多くのユーザーがリアクションする――。そんな流れができていました。そこで、孫目線での“じいじばあば”を通して、オロナミンCの魅力を伝えてもらうことができれば、若年層の認知と理解に寄与できるのではないかと考えました。
「祖父母が飲んでいたから知った」という若年層の認知経路を逆手にとり、TikTokでコミュニケーションを図りました。企画のネーミングも「うちのじいじばあば最強説」として、施策を目にした方が自身のじいじばあばの元気な姿を思い出してもらい、さらにSNS上での発話してもらうことも見込みました。
TikTokで“じいじばあば”が商品説明をするという違和感を
「元気ハツラツオロナミンC」というブランドメッセージを掲げるオロナミンC。企画の軸にしたのは、元気なシニアの方々の姿を通して、若年層にオロナミンCをリーチさせること。そこで動画には、シニアインフルエンサーの方々を起用しました。
構成は大きくふたつ。ひとつは、元気のヒケツを教えてもらいながら、オロナミンCの商品特徴を話してもらう。もうひとつは、シニアの方々にインフルエンサーになりきっていただき、商品説明に挑戦してもらうというものです。
栃木のマサ婆ちゃん「80歳でもTikTokダンスに挑戦するばあば」
@tochiginomasabaachan うちのばあば最強!TikTokダンスに挑戦!コメント欄でみんなのじいじばあばの最強エピソードを教えてね #うちのじいじばあば最強説 #敬老の日 #自慢の祖父母 #おばあちゃん #オロナミンc_pr ♬ うちのじいじばあば最強説ソング - オロナミンC
いわゆる「案件動画」にもかかわらず、少し聞き取れないくらいでも良しとする。そんなゆるさを目指しました。
そのおかげか「CMみたい」「大塚製薬からCMオファーくるね。みてますかオロナミンCのスタッフ〜、元気が一番ですね」などクリエイターを応援するコメントが集まりました。また、「うちのおばあちゃんも田んぼしながらよくオロナミンC飲んでたなあ」「うちのおじいちゃん、80歳すぎてから自分で服作るようになったよ〜確かに最強かもしれんやん笑」など、視聴者が自分のじいじばあばのエピソードをコメントする様子も見られました。この動画は3,000を超えるいいねと、90件近いコメントがつきました。
むに男「インフルエンサーに挑戦する元気でパワフルなじいじ」
@m_u_n_i_o じいじ最強説!今でも元気なじいじがインフルエンサーに挑戦!みんなのじいじばあばエピソードも是非教えてね!#うちのじいじばあば最強説 #敬老の日 #自慢の祖父母 #おじいちゃん #オロナミンc_pr ♬ うちのじいじばあば最強説ソング - オロナミンC
「いい意味で案件感なくて良き」「堂々としたカンペ好きすぎるwwwwオロナミンC買ってきます!」など、棒読みであったとしても、それが視聴者が突っ込みたくなるポイントになり、スキップされずに視聴されました。この動画は1万を超えるいいねと約100件のコメントが寄せられています。