良いコミュニケーションのために、Figma/FigJamで工夫していること—―4つの課題とその改善策を解説

良いコミュニケーションのために、Figma/FigJamで工夫していること—―4つの課題とその改善策を解説
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 FigmaやFigJamを活用するDMM.comが、その効果的な活用や実践法について解説する本連載。第3回は、コミュニケーションについてです。

 こんにちは。DMM.com オンラインサロン開発部の中川(@BEMU)です。DMMオンラインサロンのUIデザイナー兼POとして、プロダクトの情報設計を中心に担当しています。2016年に入社して以来、複数の事業に配属され、さまざまなプロダクトのUIデザインの制作を行ってきました。

 DMMではコロナ禍をきっかけにフルリモートのチームが増加。フルリモート環境になった直後は、オフィスでの気軽な声がけや突発的な雑談、ホワイトボードに付箋を使いながら身振り手振りで議論するといった、これまで日常的に行ってきたきたやりとりが難しくなりました。その結果、ずれが生まれスピード感が落ちたり、物事がうまく伝わらず手戻りが多くなったりと、リモート環境のコミュニケーションに苦戦してきました。

 そんななかでFigma/FigJamは、リモート環境のコミュニケーションやコラボレーションをサポートし、デザイナーのみならず非デザイナー職でも使えるツールとしてDMMで徐々に浸透していったのです。

 本記事では、Figma/FigJamでコミュニケーションする際に直面したさまざまな課題とその対策法について紹介します。

想定する対象読者

  • Figma上のコミュニケーションで課題を感じている方
  • Figmaの運用ルールで悩んでいる方
  • リモート環境でデザインのレビューが上手くいかない方

 このような悩みを持った皆さんにとって、紹介する事例がFigma/FigJamを使ったコミュニケーション改善のヒントになれば幸いです。

Figma/FigJamのコミュニケーション4つの課題と対応策

 私はDMMに8年程在籍していて、さまざまな事業でFigma/FigJamを活用してきて、事業部ごとのプロダクトの状況やチームのスキルによって、Figma/FigJamにまつわる課題に出会いました。

 私が遭遇した課題とその対策について紹介していきます。

課題1:Figma/FigJamがデザイナーしか使えず、他職種のメンバーとコラボレーションできない

 あるチームではFigma/FigJamを使える人が少なかったため、上手く活用できる人に作業が集中してしまう、使える人以外がアイデアを提案しづらくなってしまうなど、メンバーとのコラボレーションが上手くできない場面が多々ありました。

 この問題の解決方法は、「Figma/FigJamを使える人を増やす」というシンプルなもの。具体的には次の対策を講じました。

対策:Figma/FigJamをハンズオンで使える人を増やす

 チームメンバーにも、Figma/FigJamに触れながら一緒に使いかたを学べるよう、ハンズオン形式で布教しました。そのあと、各メンバーでFigJamを使ってMTGを行ったり、非デザイン職のメンバーがアイデアをFigmaでワイヤーフレーム化して形にするなど、リモートでのコラボレーションの幅が広がりました。

 最初のころは、ハンズオンが時間内に終了しきれないなどの反省点もたくさんありましたが、一度にハンズオンをやりきろうとせず、習熟度などに合わせて実施回数を分けることで改善できました。

 まずは基本操作を覚える初心者向けの回、次にコンポーネントプロトタイプやプラグインを活用する中級者向けの回など、ステップアップする形でハンズオンを実施すると参加者もわかりやすいようでした。

 さらにメンバーがFigma/FigJamの操作に慣れてきたら必要に応じてアンケートやヒアリングなどを実施することで、使いたい人のニーズに沿った勉強会を開催することができます。その結果、Figma/FigJamを活用したコラボレーションに幅が広がり、メンバーの効果的なスキルアップにもつながります。

 ハンズオンの資料を作成する時間がない場合には、「Figmaデザインの基礎知識」といったFigmaの公式ドキュメントを活用すると良いでしょう。私もハンズオンの資料を作るときに参考にしました。

ハンズオン用の資料
ハンズオン用の資料

 なお、Figma/FigJamをメンバーに「推す」活動に関しては、本連載の記事をご覧ください。

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