ブランドの信念をいかに体現するか Damienさんに聞く、Figmaが実施したブランドリフレッシュの裏側

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2024/10/24 10:00

今までの意思決定を線にする 新たなカラーパレットやそれを反映したロゴアイコンも

――今回のブランドリフレッシュで変更を加えたのは、具体的にどういった部分ですか? 

以前よりも行動や振る舞いに焦点を当てながら、あくまでグラフィック的で力強いスタイルを保つことを心掛けました。

しかし、以前とは見せかたが少し異なります。また、カラーも進化しており、カラーパレットも拡張されました。このように多くのツールキットを持つことで、さまざまなアウトプットを作れるようになるだけでなく、多様な人々に対応したり、異なるストーリーを語ったりすることも可能にしています。さらに、タイポグラフィのパレットも刷新し、新しいフォントもいくつか追加。それにともないロゴアイコンの色も少し変更しています。

ロゴの変更は大胆な決断ではありますが、私たちがタイポグラフィのパレットを整理し、新しいビジュアルに合わせてより引き締まったデザインへと向かうためには重要なステップでした。ビジュアル自体が大胆で主張が強いものであるため、ワードマークを控えめなものにすることでバランスを取っています。

これらすべては、今までの意思決定を整理し、ひとつにまとめるためのものです。今のフェーズは、これまで私たちが取り組んできたことや、どこに向かっているのかを振り返る機会であり、それまでの意思決定を線につなげていくためのものでもあるのです。

また、Tablet Sansという可変フォントも新たに導入しました。幅や太さなどの要素を細かく設定できる点が魅力です。「Figma Condensed」「Figma Hand」「Figma Mono」の3つも新たに生まれました。Figma Monoはコードスニペットを表示するのに役立つだけでなく、新しいロゴのデザインにも大きな影響を与えています。

今後もブランドとして「Make Believe.」を表現し続ける

――ブランドリフレッシュにともない展開した、初のフルファネルブランドキャンペーン「Make. Believe.」についても教えてください。

「Make Believe」キャンペーンは、「make believe(空想を現実にする)」という、よく知られたフレーズに少しひねりを加えたものです。このキャンペーンで私たちがとくにワクワクしているのは、未来を創造する可能性や柔軟性を表している点。「何かを信じることで、それを現実にできる」というメッセージが込められており、これは「想像から現実へ」という私たちFigmaの考えかたにも通じています。

この屋外広告キャンペーンは、サンフランシスコやニューヨーク、ほかのいくつかの都市でビルボードを展開しており、地下鉄もジャックしています。

クリエイティブでは、「co-create(共創する)」や「innovate(革新する)」「validate(検証する)」といったFigmaでできることに焦点を当てたメッセージを打ち出したり、「developed for designers, designed for developers(デザイナーのために開発され、開発者のためにデザインする)」など、Figmaの多様なターゲットをシンプルに表現しています。

このキャンペーンはティザーも行ったのですが、非常にクオリティの高いものに仕上げることができました。

――今回のFigmaのブランドリフレッシュプロジェクトを振り返っての感想と、Figmaが今後目指している方向について教えてください。

私はクリエイティブディレクターとしてチームを率いましたが、これはまぎれもなくチーム全体での取り組みでした。

ビルボード用に変換する作業などでは外部の制作会社と少し協力もしましたが、フクリエイティブの部分はすべて社内で実施。Figma内でデザイナーやライター、ストラテジストが多くの作業を行い、非常に優れたFigmaのモーションチームは毎回驚かされるほどの仕事をしてくれました。Figmaで起こるすべての出来事がそうであるように、このブランドリフレッシュも真のチームワークによって成し遂げられたもの。非常に優秀なチームとともに、プロジェクトを進めることができました。

私たちが伝えたいブランドメッセージは、「Figmaが、人々がものを作りあげる場所であるだけでなく、まだ開拓されていないポテンシャルもある」ということです。持っているアイデアを実現し構築する場所として、Figmaのプラットフォームを捉えてもらいたいのです。そして「Make Believe.」は、ほかの人たちと一緒に「現実のものにする」といったメッセージを体現しており、それを視覚的にも表現し続けていきたいと考えています。