「今回は辞めないでください」から始まったYouTube撮影
皆さん、はじめまして。デザイン本部でさまざまな動画のディレクションを担当している千田です。今回はチームや選手との関係構築の方法について紹介できればと思います。
前回の記事でも説明があったとおり、MIXIは2021年シーズンから千葉ジェッツ公式YouTubeチャンネルの運用に参加しています。私は参入当初からの古参メンバーのひとりなのですが、MIXIが最初に企画・撮影した自己紹介企画の撮影時、原選手から言われた言葉を今でも覚えています。それが「今回は辞めないでください」でした。
言われたときは何のことだかわかりませんでしたが、今考えると当時の千葉ジェッツは、YouTube担当者が短期間で変わっており、毎回知らない人と撮影をすることに選手もストレスを抱えていたのだと思います。「今回は辞めないでほしい」という言葉は、その中で出たちょっとした本音だったのではないでしょうか。
当時もすぐには辞めないと思っていたものの、こんなに長く4年も携わるとは思っていませんでしたね(笑)。
ただ、運用に携わり始めると、MIXIチームとしてもどかしい日々が半年ほど続きました。自己紹介動画を撮影したあとが、思うように続かなかったのです。依頼に応えるためにより多くの撮影を行いたいと思いながら、千葉ジェッツの広報担当者に企画を送るも、選手の同意が得られなかったり日程の調整がつかなかったりと、なかなか撮影まで辿り着けない。一方、千葉ジェッツ側からも企画案を受け取るも双方の狙いが上手く噛み合わず、コミュニケーションが円滑に取れていない状況でした。
ちょうどそのころ、MIXIから出向という形で千葉ジェッツ広報チームに加わったのが小原です。ここから、私たちのYouTube運営は大きな転換期に入っていきました。
ここからはバトンを引き継ぎ、千葉ジェッツでYouTubeチャンネルの運用を担当する小原がお送りします。
もともと私は、モンスト事業本部(当時)のユーザーコミュニケーション部でSNS運用に従事していた一方、動画事業にも興味を持っていました。そのため、社内で動画に関する業務を担当できる部署がないかと考えていた時に、MIXIの社内公募制度で千葉ジェッツの動画運営担当を募集していることを知り応募したことが、携わるようになったきっかけでした。
私がジョインしたばかりのころはまさに下記の図の矢印のように、MIXIと広報の橋渡しをする役目がメインになっていました。真ん中の矢印の部分を、私が担っているイメージです。

私は千葉ジェッツ所属ですがMIXIから出向していることもあり、もともと見知った顔がMIXI側にも多かったことから、より連携が取りやすかったのです。そのため、MIXI側で考えている企画の意図や撮影日時を広報と相談し調整していくことで、以前の体制よりは情報共有がスムーズにできるようになっていきました。
しかしそれでも、撮影を進めていくことは簡単ではなかったのです。
千葉ジェッツとMIXI、それぞれの課題とは
千葉ジェッツはプロスポーツチームのため、もっとも優先順位が高いのはコンディションを整えて試合に出ること。そのため、YouTube撮影など大幅に時間を取られる取り組みは、体にも負荷がかかるため優先度が下がってしまいます。
一方、MIXIのデザイン本部は、千葉ジェッツのYouTubeチャンネルを任せられている立場ですので、チャンネルを盛り上げる(=再生数や登録者を伸ばしていく)責務があります。あまり時間をかけられないというチームの事情を考慮したうえでYouTubeチャンネルを盛り上げていくことは、とても難しい課題でした。
そこで、なかなか上手くいかなかった撮影をスムーズに行うべく、まずはジェッツチャンネルに関する方向性を考えるミーティングを設定。動画チームの主要メンバーと、池内ゼネラルマネージャー(以下、GM)をはじめとする千葉ジェッツのスタッフとで実施しました。
ミーティングを経て最初に動き出したアクションは、チームのGMである池内さんや広報部長から「チームにおけるYouTube撮影の重要性」をスタッフや選手に説明し、理解してもらうことでした。
YouTubeを盛り上げることは、クラブ全体だけでなく、Bリーグ全体の盛り上げに大きく貢献します。ましてや強豪チームである千葉ジェッツのYouTubeも人気になれば、いっそう注目を集めることができると考えていました。このアクションにより、YouTubeへ出演すべきだという気持ちが少しずつ選手に芽生えていったのではないかと感じています。
とはいえ、選手の本業はもちろんバスケですので、そう簡単に状況は変わりません。選手たちと少しずつ足並みが揃ってきたと思っても、また新たな壁にぶつかりました。
選手は「芸能人」ではない
それが「選手は芸能人ではない」ということ。選手たちはあくまでアスリートなのです。MIXIの運営メンバーは半数以上がテレビ番組制作出身だったこともあり、これまで一緒に仕事をしていた出演者は「メディアに出ること自体が仕事」の方ばかり。出役として立ち振る舞うことにも慣れていますが、スポーツ選手はメディアへの出演が仕事ではありません。上手く演者として立ち回れる選手のほうが珍しいのです。
その点をあまり理解することができていなかった初期の我々は、おもしろいコンテンツを作らなければと企画のゴールも高めに設定し、カンペや台本をガチガチに書き、そのとおりに選手にやってもらっていました。自分たちの「こういうものを撮影したい」という気持ちを優先してしまったことで時間を要してしまったり、それを選手が負担に感じて気乗りしなかったりといった状況を招いていたかもしれません。
当時は怪我の可能性を考慮できていない企画を依頼してしまいそれがボツになったり、世の中に出ていない内容もたくさんあります。我々がそのあたりの温度感をつかむまで、相当な時間がかかっていたと思います。