博報堂テクノロジーズ、広告クリエイティブに特化した独自バナー画像自動アノテーションシステムを開発

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2024/11/28 11:00

 博報堂テクノロジーズは、デジタル広告バナー画像を自動分析し、構成要素を整理する独自の自動アノテーションシステム(※)を開発した。

 このシステムの導入により、アノテーション業務の完全自動化を達成すると同時に、アノテーション工数をこれまでと比較して1/80程度まで削減することに成功いたした。また、従来の人手による作業では困難であった、高精度な文字起こしや文字の傾きを含む詳細なアノテーションを可能にする。

 本システムの導入により、デジタル広告プラニングの効率化と高度化を目指す「CREATIVE BLOOM」でのバナー画像自動生成AIの開発加速に貢献する。これにより博報堂DYグループのデジタル広告プラニングノウハウを生成AIで再現し、現場のクリエイターがクリエイティブ業務に専念できる環境の構築を支援する。

※アノテーション:テキストや音声、画像、動画などあらゆる形態のデータ1つひとつに、タグやメタデータと呼ばれる情報を付けていく工程。

背景/課題

 近年、インターネット広告の需要が急速に拡大する中、AIによるクリエイティブ業務の変革が加速している。同社でも、クリエイティブ業務の効率化と高度化を支援するプラットフォーム「CREATIVE BLOOM」を通じて、クリエイティブの評価、自動生成、予測などを人と共創できるAIサービスの開発に取り組んでいる。

 なかでも、高い広告効果を創出するためのバナー画像自動生成AIの開発には、キャッチコピーや商品画像など、バナー内構成要素の種類とその位置を特定するための大量のアノテーションデータが必要。しかし、これらのアノテーションデータを手作業で作成するには非常に高いコストがかかり、大量のデータを確保することが困難となっていた。

プロダクト概要

 このような背景から同社は広告バナー画像を自動で分析し、構成要素をアノテーションする独自の自動アノテーションシステムを開発した。

 本システムは、商品や画像素材("キービジュアル")、興味関心をひくコピー("メインコピー")、そして行動を促す誘導文("Call-To-Action")など、バナー画像内の各要素の種類と位置を自動で特定・分析することができる。

 このシステムの導入により、アノテーション業務の完全自動化を達成すると同時に、アノテーション工数をこれまでと比較して1/80程度まで削減することに成功した。(社内実績より算出)

 さらに、従来のコスト制約で実現が難しかった、高精度な文字起こしや文字の傾きを含むより詳細なアノテーションも可能となり、この結果、高品質なデータ作成がより効率的に行えるようになった。

バナー画像(左)に対する実際のアノテーション例(右)
バナー画像(左)に対する実際のアノテーション例(右)

今後

 本システムの導入により確保できた大量の高品質アノテーションデータを活用し、広告効果を最大化するバナー画像自動生成AIの開発を推進している。これにより、クリエイティブ業務の効率化・高度化を支援するプラットフォーム「CREATIVE BLOOM」を提供し、さらには同グループが持つ豊富なデータと最先端テクノロジーを融合させ、AI技術を駆使した革新的なコミュニケーションやビジネスの創造を後押しし、このような新たなチャレンジを通して、業界を先導する存在となることを目指しす。