大切なのは、「動画制作」ではなく「運営」ととらえること
「千葉ジェッツのことを知らない、またはちょっと知っている人たちが試合に足を運びたくなる」。これが、我々がYouTube運用に取り組む理由です。
チャンネルの運営をお手伝いさせてもらうようになってから、ブラッシュアップを重ねて「やる意味」を整理したり、公式のYouTubeを活用して数年後に「どんな状態になっていたいか」を議論し、それを明確にしたりしてきました。
目標やKPIは、チャンネル登録者数で設定しがちです。もちろん、我々も登録者や再生数も意識はしていますし、数字として表れるため無視はできませんが、現在のYouTubeにおいて、登録者を軸に考えると厳しいのではないかと私たちは考えています。
試合に行って生の選手たちを観てみたい!と思えるような魅力を出すためには、どういう企画が良いのか。その企画がきちんと多くの人に届くような目線はあるか(再生数をこのタイミングで意識します)。このような「やる意味」と「見たくなるポイント」を組み合わせて企画をつくりましょう。
企画をつくる順番も大切で、目的がはっきりしていないと迷子になってしまいますし、「流行っているから」「数字が取れそうだから」という入口だと、バズったとしても返ってくるものはあまり大きくありません。
もちろん予想が外れることもありますが、それはそれでよし!表現や演出の選択が間違っていただけだと捉えています。やる意味を決めていれば、そこまで凹むこともないかと思います。いや、多少は凹みますね。
そういった葛藤のなか、クオリティを上げながら定期的な動画投稿を続けていくと、自然と視聴者の満足度が上がってくると思います。そこで初めて「このチャンネルは登録しても良いかも」となっていくのです。登録することは本当に最後の行動なので、あせらずに積み上げていきましょう。
最初にも書きましたが、なにより必要なのは安定的な投稿です。大きくブレない考えかたの軸をチームで共有し、皆が目指す方向を揃えたうえでディレクター/エディターの個性や遊び心をこめていく――。企画からアウトプットまでを「動画制作」ではなく「運営」という視点でとらえることが大切です。

YouTubeの取り組みはこれからもチャレンジを続けていきますが、成果も出始めています。上の画像は、昨年実施した視聴者アンケート結果の一部です。YouTubeチャンネル経由でアンケートを実施したため、少し偏りがある数字かもしれませんが、「動画をきっかけに行動したことは?」という問いに対し「試合を観戦した(現地)」と答えた方が53%を超えています。千葉ジェッツは強くてかっこいいということが大前提ではありますが、支援に携わっている身としてはとても嬉しい結果でした。
MIXIが千葉ジェッツのチャンネル運営を行っているワケ
運営に携わっていると、「なぜMIXIが千葉ジェッツのチャンネル運営を行っているのか」と質問をもらうことも多いので、現状の運営体制も含めてお伝えします。
我々はデザイン本部の動画クリエイティブ室に所属しており、MIXIの事業をクリエイティブで支援しています。現在は組織体制が変わりましたが、もともと我々はモンストの公式YouTubeチャンネルのコンテンツを制作していた(現在も一部を担当)ため、チャンネル運営のノウハウと制作力をナレッジとして蓄えています。そういった中でグループ会社である千葉ジェッツの田村社長より、YouTubeチャンネル運営を手伝ってくれないか?と依頼を受けたことが、運営を行うようになったきっかけです。

我々はクリエイティブのチームですので、選手のアサインなどは千葉ジェッツ側との連携が必須ですが、下の図のように役割を明確にすることで、選手や試合に影響がでないような安定的な運営ができています。また、制作物に対して客観的な目線をもつ千葉ジェッツの広報チームがクリエイティブの監修に入ることで、バランスの良いコンテンツ投稿が可能になっています。

実績紹介


我々が支援を初めてから登録者は約12万人増加し、Bリーグアワードでは2年連続でソーシャルメディア賞(Youtube以外も対象)を獲得。さらにスポーツPRアワードでも受賞するなど、日々積み上げてきて撒いてきた種が花を咲かせました。まだまだ、これからも種は撒いていきますけどね!以上、チャンネル運営責任者の折原でした。
ここからは、クリエイティブのクオリティの守り人、総合演出の沖浦が具体的な取り組みや考えかたをお伝えします。