中川政七商店は、日本の工芸を世界へ、そして未来へ繋いでいく一歩を踏み出すため、2025年より、同社のロゴデザインをリニューアルする。また2030年までに初の海外旗艦店をオープン予定。日本の工芸を世界中の暮らしの中へ届ける第一歩を踏み出す。
中川政七商店は「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、日本の工芸に根差した暮らしの道具を作り、日本の市場を中心に届けてきた。2002年より直営店出店を加速し、SPA業態を確立。2009年には自社の経営再生経験を活かした工芸メーカーへのコンサルティングも開始し、生活雑貨事業の売上高は22年間で約20倍へと成長し続けている。
また、同社が2024年4月に行った調査では、全国20~69歳男女のうち31.5%が「工芸や日本のものづくりに興味がある」と回答するなど、日々の生活に工芸が溶け込むライフスタイルの広がりも見られている。
この新たな時代を迎え中川政七商店は、「日本の工芸を世界へ」広げていく挑戦を始める。より多くの人々にとって身近な存在となり、日本の工芸を次のステージへ導くべく、このたびロゴデザインをリニューアルし、新たな一歩を踏み出す。
また2018年より台湾、北京、上海、ソウルなどのアジア圏を中心にPOPUP STOREを展開してきたグローバル展開を一層加速し、2030年までに初の海外旗艦店オープンを目指す。
新ロゴデザインについて
ロゴのデザインは、クリエイティブディレクター水野学氏(good design company)が担当。現行ロゴが誕生した2008年以来、約17年ぶりの一新となる。グローバル市場での可読性を意識し、新ロゴにはアルファベットのブランド名や創業を示す「SINCE 1716 NARA JAPAN」が描かれ、「日本」「工芸」の文字も加わった。このデザインには、これまで以上に覚悟を持ち、改めて「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを背負っていく意思を込めている。
中川政七商店の海外展開について
2018年より、同社はアジア圏を中心に海外展開を積極的に推進している。現地小売店での卸販売やECモールへの出店を進めるなか、2019年には台湾政府機関との協働による初の海外コンサルティングと、大型イベント「大日本市台湾博覧会」を開催した。コンサルティングプロジェクトでは、台湾の陶磁器産地・鶯歌(イングー)にある陶磁器メーカー「佳鼎(ジャーディン)」と約1年半にわたり協働し、経営方針の見直しやブランディングを実施。その成果として、2020年に食卓ブランド「KŌGA - 許家陶器品」が誕生した。ブランドの台湾現地での発表後、クラウドファンディングでは目標売上の約10倍を達成した。さらに、2021年には日本国内でも販売を開始し、国際的な広がりを見せている。
また近年は、台北・上海・北京・ソウルなどアジア主要都市へとエリアを拡大し、現地のSNSやPOPUPイベントを通じて販路を開拓している。とくに中国発のSNS「小紅書(RED)」では、フォロワー数が16,000人を超え、「ドラッグストア・バラエティストア・免税店」部門のフォロワー数で日本企業として第8位にランクイン。
2023年からは積極的にPOPUPイベントを開き、2023年11月に台北、2023年12月には上海と北京、そして2024年11月にはソウルで開催。ソウルのPOPUPでは「土鍋」や「茶碗」などの食卓アイテムが人気を集め、即日完売する商品も多く、大きな反響を得た。
そして2025年以降は、新たなロゴを掲げ、初の海外直営店展開を視野に入れながら、一層の拡大を目指す。これまで培ってきた経験を活かし、日本の工芸を世界へと広げるため、さらなる挑戦を続けていく。