電通デジタルは、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」を、国内電通グループ独自のAI戦略「AI For Growth」内の各ソリューションと接続した。これにより仮想顧客AIの回答精度向上、AIとの対話により実施する企画立案の高度化および、ブランド広告の制作が強化される。

電通デジタルでは、2022年12月、デジタル広告の制作プロセスを効率化し広告効果を最大化する「∞AI Ads」の提供開始、そして翌年10月に「∞AI」ブランドを発表し、AIを活用した企業のマーケティング活動の支援を行ってきた。
2025年3月には「∞AI」の大幅アップデート※4によって各ソリューションにAIエージェント技術(能動的にタスクを考え、必要なシステムやデータにアクセスし、タスクを実行するAIの技術)を導入し、同社の担当者が各AIと対話を交わしながら、企業におけるデジタルマーケティング施策の分析から戦略立案、改善策の実施までを一気通貫で支援している。
今回、「AI For Growth 2.0」に刷新された国内電通グループの「AI For Growth」内の各ソリューションとの接続を行うことで、「∞AI」のさらなる高度化を実現しました。具体的には次のとおり。
仮想顧客AIが生成する回答精度向上
電通が15万人の調査データを基に独自構築する大規模調査データ「PDM Tunes(People Driven Marketing Tunes)」を、大規模言語モデル(LLM)を活用してファインチューニングすることで、1億人規模の高解像度なペルソナを仮想再現するAIモデルである「People Model」と、電通デジタルの、顧客1人ひとりの心理・行動特性を忠実に再現した仮想顧客AI(カスタマーツイン)を生成する「∞AI Customer Twin」の接続を行った。これにより、「∞AI Customer Twin」を活用した仮想顧客との対話型インタビューや調査における質問対応の汎用性が上がり、これまで以上に広範な生活者のよりインサイトに近い回答を生成することが可能となった。
AIとの対話によるアイデア創出
電通が提供するAI×クリエイティブで企業の事業・サービス開発を支援する「AIQQQ STUDIO(アイキュースタジオ)」内の各ソリューションを、マーケティングコミュニケーション施策における一連のプロセスをAIエージェントとの対話形式で企画する「∞AI MC Planning」と、新規事業・サービスや既存事業の高度化などのアイデア創出を行う「∞AI CX Planning」に接続した。これにより、「∞AI MC Planning」や「∞AI CX Planning」との対話における参照元が拡張し、より量と質を向上したアイデアを企業に提案することが可能となる。
ブランド広告の生成強化
クリエイティブ担当者やプランナーの成果物だけではなく、意図や思考プロセスも学習させた「Creative Thinking Model」とAI活用によりデジタル広告の制作プロセスを効率化し広告効果を最大化する「∞AI Ads」の接続を行った。これにより、デジタルマーケティングにおける、多くのダイレクトレスポンス広告(購買や資料請求など直接的な反応を得ることを目的とした広告)を手掛けてきた電通デジタルの知見に加え、数多くの企業や商品のブランド広告を手掛けてきた電通のクリエイティブ担当者やプランナーの思考プロセスも参照することが可能となった。担当者は「∞AI Ads」との対話を重ねることで、ダイレクト広告だけでなくブランド広告の生成もスピーディーに実施する。
今後も電通デジタルでは、国内電通グループや海外の電通グループの各ソリューションとの連携・統合を通じ、新たなマーケティングプロセスの自動化およびマーケターの業務支援を高度化し、企業の事業成長に貢献していく。