ヘラルボニーは、日本航空(以下、JAL)とともに、障害のある人やその家族が感じる空の旅への不安に寄り添う取り組みとして、共同制作した「Beyond Guide」を公開した。
本ガイドは、「長時間の待機ができるか不安」「パニックになった場合どうすればいい?」「こだわりがある食べ物や飲み物を持ち込みたい」といった声に応える形で、予約・搭乗前・空港・機内それぞれのステップごとにQ&A形式でわかりやすくまとめた冊子。事前に見通しが立つことで、不安を減らし、空の旅の選択肢を広げることを目的としている。
また同日より、ヘラルボニー契約作家・水上詩楽氏のアートをあしらった紙コップの全路線再配布も開始した。両社の共通する思いである「誰もがありのままに、旅を通して新しい価値観・景色と出会える未来」を目指し、今後もパートナーシップを深めていく。

ヘラルボニーとJALのこれまでの歩み
ヘラルボニーとJALは、互いの企業理念に共鳴しこれまでにヘラルボニー契約作家、合計29名の作家・41作品を起用し、その異彩を広く社会に届けてきた。2023年には業務提携を締結し、国境のない「空」のように、誰もがありのまま自由に羽ばたける社会の実現を目指して、「Beyond」というコンセプトのもと共創を進めている。国際線ファーストクラス・ビジネスクラスのアメニティポーチにヘラルボニー契約作家のアート作品を起用するなど、障害のある作家の才能を国内外で発信する取り組みを展開してきた。

「Beyond Guide」心理的なハードルを越えて、空の旅を楽しむ選択肢を
本当は”旅に出てみたい”と思っていても、道中で何が起こるか想像できないこと、あるいは想定外のことが起きたときに”逃げ場がない”と感じることから、一歩を踏み出せない障害のある人や家族がいる。なかには、不安や困難を前提に、旅そのものを選択肢に入れていないという人も少なくない。同社は、そうした心の声を、これまで数多くの対話や調査を通して受け止めてきた。
ヘラルボニーが2023年に実施した「外出にまつわるアンケート」(知的障害・発達障害のある家族250名を対象)では、30〜36%の人が“ハード面・ソフト面それぞれの理由で、飛行機を含む公共交通機関の利用が難しい”と感じていると回答している。
こうした状況を踏まえ、ヘラルボニーとJALはひとりでも多くの人の「旅をしたい」という気持ちに寄り添うため、空の旅のハードルをなくすプロジェクトを始動し、第1弾として、Q&A形式で不安や疑問に応えるガイドブック「Beyond Guide」を共同制作した。
本ガイドは、知的障害のある人やその家族が感じるさまざまな不安や疑問に応え、より安心して空の旅を楽しんでもらうことを目的とした冊子。「長時間の待機ができるか不安」「パニックになったらどうすれば?」「こだわりのある飲食物を持ち込みたい」など、実際の声をもとに、予約・搭乗前・空港・機内での過ごしかたなどを、Q&A形式でわかりやすくまとめている。また、乗客1人ひとりに寄り添った搭乗体験に定評のあるJALの協力のもと、事前に知っておくことで安心につながる情報や、困ったときに役立つサポート内容も掲載している。


ヘラルボニーとJALは、これからも1つひとつ工夫を積み重ね、「誰もがありのままに、旅を通して新しい価値観・景色と出会える未来」を目指し、すべての人々に空の旅を楽しむ選択肢を届け続けていく。
作家・水上詩楽氏のアートを起用した紙コップが再登場
2025年6月~7月の2ヵ月間、水上詩楽氏の作品「タイトル不明」を起用した紙コップが全路線に登場、再び空の旅に彩りを加える。

機内ドリンクサービスの紙コップ提供
- 提供期間:2025年6月~7月
- 対象路線:全路線
- 起用作家:水上 詩楽氏 / Shigaku Mizukami
- 作品名:「タイトル不明」