武藤工業、3Dプリンタ活用のフェイスシールドを医療機関に無償提供 造形データもあわせて公開

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2020/05/13 06:00

 大判インクジェットプリンタならびに3Dプリンタの開発・製造・販売を展開している武藤工業は、同社の3Dプリンタを活用したフェイスシールドを製作。5月15日より順次、医療機関向けに無償で提供を開始する。提供数量は、月に500セットを予定しているとのこと(含む5枚のPETシールド/1セット)。

 同時に同社では、神奈川大学の道用大介准教授が公開した3Dデータ(DOYO Model)を活用し、武藤工業製3Dプリンタ「Value3D Magix MFシリーズ」に最適化した造形データ(GCODE)を公開する。

装着例(帽子なし)
装着例(帽子なし)

製品概要

 フェイスシールドを構成するフレームは、神奈川大学の道用大介准教授が公開した3Dデータ(DOYO Model)を活用。製造には武藤工業製3Dプリンタ「Value3D Magix MF2500EPII」を使用し、ポリカーボネート樹脂「PolyMax PC」でフレームを造形、シールド部材には透明度高いPET(t=0.25)を採用した。

 フレーム材料として採用したポリカーボネート(以下、PC)は軽く、曲げに強く、アルコールや煮沸消毒への耐性も備えた物性のため、安全で繰り返し活用が可能。フレームの突起部(ボス)に透明PETシールドの穴を差し込めば簡単に完成する。

 同シールドは靭性に富むため、帽子なし、つば付き帽子の上から着用の2WAY方式の装着が可能。帽子は頭上への飛沫回避、長時間装着への負担感を軽減する。また、口の前の空間が確保されたデザインにより息で曇ることがない。

 なお、PETシールドもアルコール・漂白剤消毒は可能だが、煮沸消毒は不可。また、PETシールドは使用頻度により、表面に傷がつき、透明度が落ちた場合は交換が必要となる。このため、同製品は1フレームに5枚のPETシールドを付けて1セットに。なお、補給用PETシールドが入手できない場合は透明度の高いA4書類用クリアファイルでも代用可能。穴あけはボスに合わせ、1穴または2穴パンチを利用するとのこと。

フレームの造形データ入手先

 DOYO Modelの3Dモデル(STLファイル)、および同社3Dプリンタ用の造形データ(GOCDEファイル)は、MUTOHホームページから入手が可能。DOYO Model は、こちらのデータを利用できる。

 なお、このフェイスシールドはオープンソースの3DVerkstanを改変したDOYO modelを使用(or改変)しており、クリエイティブコモンズ BYSA に準拠し使用。シールド(透明フィルム)に関しては、A4クリアファイルなどを準備する。クリアファイルの穴あけ方法に関しては、道用大介准教授公開のホームページで公開している。