ウェザーニューズ、気象IoTセンサーを法人向けに販売 現場作業や店舗の安全対策やマーケ分析を支援

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2020/09/23 07:00

 ウェザーニューズは、Society 5.0の実現に向けて、気象データと最新技術の活用によって企業のDXを推進し、ビジネス課題を解決するWxTech(ウェザーテック)サービスにおいて、高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」の法人向け販売を開始した。

 同センサーは、風向・風速・雨量など全8要素を1分ごとに観測する高性能な気象観測機。小型・軽量・省電力を実現し、データ通信にはIoT向けのSIMを用いるため、全国の幅広いエリアで利用できる。観測データはクラウドへ保存され、APIで提供するため、データの閲覧や保存だけでなく、顧客のアプリケーションやシステムに組み込むことが可能。作業現場における強風対策や、屋外イベントやレジャー施設での熱中症対策、施設の風雨に対する安全対策のほか、需要予測やマーケティング分析などさまざまなビジネスシーンで活用することができる。

 すでにKDDIによるドローンの安全運航管理やレグミンによる農作業ロボットを用いた農作物への農薬散布と生育管理においての利用が始まっているという。

 同社は“現場の気象を見える化”し、企業のDXを加速する新たなIoTデバイスとして同センサーを開発。工場やビルなど作業現場における強風対策や、屋外イベント・レジャー施設・ゴルフ場・保育園や小学校での熱中症対策、施設の強風や強雨に対する安全対策のほか、ドローン物流における安全運航、農作物の生育管理、ビジネスデータと組み合わせたマーケティング分析など、さまざまな場面での活用が想定される。

現地の風向・風速データをリアルタイムに観測し、ドローンの安全運航を支援

 同センサーは、小型で持ち運びが容易、かつ IoT SIMの利用で場所を選ばずに通信できることから、飛行エリアが流動的なドローンの運航において利用が始まっている。

 同社は、KDDI が開発したスマードローンプラットフォームにおいて同センサーの先行運用を開始。スマー トドローンプラットフォームは、モバイル通信を用いた遠隔監視/制御に より、ドローンの目視外自律飛行を実現する。このスマートドローンプラットフォームに同センサーの観測データをシステム連携させることで、ドローンの運航事業者はタブレットを通して観測データをリアルタイムで確認することができる。このため、風速が基準を超えている場合は落下のリスクを考慮し、風が弱まるまで待機するなど、観測データをもとにした安全対策が可能になる。

 両者はドローン事業において今後とも連携を深め、ドローンを使った物流配送や遠隔監視業務などドローン運航にお ける安全性の向上に努めていくとのこと。

スマート農業に試験利用、農作業ロボットによる農薬散布のタイミング調整に活用

 同社は、8月4日よりレグミンで同センサーの試験導入を開始。レグミンは、農作業ロボット・管理システムの開発を手がける農業ベンチャー企業。農場で小松菜などの作物を栽培しており、農薬散布の可否判断および作物の成長記録に同センサーを用いている。

 通常、風速が3m/sを超える場合は周囲への農薬の飛散を防ぐため農薬散布作業を控えるため、農場の風速をリアルタイムに把握し、農薬散布のタイミングを調整するために同センサーを活用させているという。

高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」の特徴


 同センサーは、気温・湿度・気圧・照度・紫外線・風向・風速・雨量の8要素を1分ごとに観測。直径約14cm、高さ約20cm、重さ約1kgと小型かつ軽量なため、持ち運びも容易で設置場所を選ばない。大掛かりな設置費用も必要なく、容易に導入することができる。

 また、複雑な設定は必要なく、電源を入れるだけで観測が開始。太陽光パネルと連結させることもできる。データ通信は、IoT向けのSIMを用いているため、日本全国の幅広いエリアで安定した通信が可能。複数台を設置することで、複数地点の観測データを同時に取得することもできるとのこと。

観測データはクラウド保存、API 提供によりシステム連動も対応

 同センサーの観測データは1分ごとにクラウドへ保存され、実況値のデータベースとして蓄積してされる。観測データはAPIで取得できるため、データの閲覧や保存だけでなく、企業のアプリケーションやシステムに組み込むこともできる。API は利用シーンに応じて、最新データ・過去1時間データ・ 過去任意時間データの3種類から提供。そのため、最新の観測データをトリガーとした、強風アラートや熱中症アラートを自社システムに導入することもできるという。また、観測データの切り出しや分析が自由にできるため、企業のビジネスデータとあわせて参照することで、業務分析や売れ筋商品の調査、マーケティングに活用することができる。さらに、企業のシステムと連動させることで、天気連動広告やクーポン配布などの施策に利用することも可能。

 同社は、同センサーの観測データをAPIで提供することで、高温・低温・強風・強雨など気象リスクの把握による被害軽減、および、マーケティングへの利用による売上の最大化を支援する。