ドコモとパナソニック、5G活用した街空間演出の実証実験 クラウド制御で光×音によるエリア価値向上へ

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2020/10/14 05:00

 NTTドコモと、パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、2020年10月10日(土)~11日(日)に東京都品川区(天王洲運河)で開催された「キャナルアートモーメント品川2020」にて、第5世代移動通信方式(以下、5G)を活用したパナソニックのエリア価値創造サービスの実証実験を実施した。5Gサービスエリア内でドコモオープンイノベーションクラウドを活用し、5Gの特徴のひとつである「低遅延」を活かしてライブでの照明制御によるイベントでの感動演出や混雑度検知を行うことにより、エリアの誘客・密回避を検証した。

 同実証実験では、広範囲にわたるエリア全体の84台の照明デバイスを、ライブ音響に合わせてクラウドで同時に制御。5Gを使用することで、3Gや4Gを利用した場合と比較してライブパフォーマンス自体の音響との遅延が少なくなり、観客に対してより臨場感のある非日常空間を提供可能となる。今後、範囲が広く照明数が多いエリアでのパフォーマンスになるほど、照明制御のために流れる通信回線のデータ量が増大するため、5Gの「大容量」という特徴を活かすことができると想定される。

 今後両社は、同実証実験で得られた成果を生かし、引き続き全国の5Gを活用した街空間価値の向上の発展に取り組んでいくという。

5Gを活用した街空間の実証実験の概要

5Gを活用した実証実験内容

ライブパフォーマンス音響と照明の連動による空間演出

 ドコモオープンイノベーションクラウド上で構築されたソリューションとクラウドダイレクトにより、ライブパフォーマンスに合わせて、照明をクラウドで同時に制御する。

 ドコモが提供する5G環境によって、ライブパフォーマンスの音響との遅延が少なくなり、エリア全体をまるでライブステージのような空間にすることで、より観客との一体感向上を図り、非日常的な体験を演出する。

誘導・誘客・密回避など、人の行動に働きかける照明演出

 AIネットワークカメラの群衆計測技術によりエリアごとの混雑度を検知し、ドコモオープンイベーションクラウドを介して人の滞留、誘導、分散を促す照明演出を行うことで、セキュアでタイムリーな賑わい創出、快適な移動・回遊の促進、密回避を図る。今回は、施設への誘客やコロナ禍での密回避を想定して、照明が人の行動に働きかける効果の検証を行う。

各社の役割

ドコモ
  • 5G通信環境の提供
  • ドコモオープンイノベーションクラウド/クラウドダイレクトの提供
パナソニック
  • 音響連動による照明演出提供
  • カメラ検知技術/照明制御を駆使した人の行動誘発演出提供
  • クラウド上に搭載するIoT制御アプリケーション・ソフトウェア