大日本印刷(DNP)は、高精細な4K映像と、実物に近いVR空間で、マンションや戸建て住宅などの多様な間取りやインテリアのコーディネートを疑似的に体験できるシステム「DNPバーチャルエクスペリエンス VRモデルルーム」を開発し、2019年からサービスを展開している。今回、日鉄興和不動産が東京・銀座トライアングルプロジェクトの一環で開発を進めるマンション「リビオレゾン入船」に同システムが採用され、運用を開始した。
これにより、マンションの購入を検討する生活者は、実存のモデルルームに足を運ばなくても、マンションの間取りなどを非接触・非対面で遠隔地から確認することができるように。住宅事業者にとっては、オンラインで接客から契約まで行うことが可能となり、“ニューノーマル(新常態)”に対応した新しい販売形態の実現につながるという。
同システムでは、システムを稼働させるパソコンと、顧客である生活者のスマートフォンやタブレット端末、パソコンなどを汎用的なビデオ会議システムなどでつなぐことで、オンラインの見学が可能になる。主な特徴は次のとおり。
高精細なVRに、マンションの特徴・機能の紹介を備えた販売支援システム
マンションの購入を検討する生活者は、当システムの高精細なVRで物件の特徴、好みの間取りやカラーセレクト、眺望シミュレーションを確認できるため、より納得して検討することが可能。当システムで表示する内装に、DNPが多くの住宅事業者に提供している床やドア、天井などの内装材の柄の印刷データを使用することで、より高精細な表現が可能となる。
省スペース化、コスト削減を実現
各物件に合わせて制作したCGデータを同システムに登録することによって、住宅事業者は実物のモデルルームを多数作ることなく、生活者に多様なマンションや戸建て住宅の間取りや内装のバリエーションを疑似体験してもらうことができるように。これによりモデルルームの新たな用地取得や施工、外観模型の制作、家具・小物の調達などの負荷を軽減することができる。
高品質なCGやVRをさまざまな媒体へ展開することが可能
同システム用に制作したCGデータなどは、住宅事業者の販促物やウェブサイト、映像コンテンツなどで使用できる。また、VR空間上で任意のアングルを決定して、高精細な写真としてプリントし、購入検討の材料として生活者に提供することも可能。
今後は、同システムを分譲・賃貸マンションなどを開発・販売する住宅事業者や住宅設備メーカーなどへ提供し、ニューノーマル(新常態)の構築につながるオンライン販売を支援しいくとのこと。