スマホ決済を普段使いしている人は2年前より3倍強 「昨年より利用回数増えた」約7割/LINEリサーチ

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2021/02/09 06:00

 スマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」は、日本全国の男女約56万人を対象に、スマホ決済サービスの認知率および利用率、また、サービスを選ぶ際に重視する点などについて調査を実施。その結果を発表した。

スマホ決済の認知は8割 すべての年代で認知率が上昇傾向

 代表的なマネー・決済系のサービスについて、内容まで知っているかどうかを聞いたところ、スマホ決済の認知率は全体で8割と、昨年の2019年から4ポイント上昇。

 一方、個人間送金サービスの認知率は45%で、2年前の2018年から1.5倍に伸びている。年代別にみると年代が下がるにつれて認知率が高くなり、20代でもっとも高くなっているのも特徴的となっている。

 また、投資ができるアプリも2019年から6ポイント上昇して3割強だった。

 全体では8割と高い認知率となったスマホ決済について、もっとも認知が高いのは女性20~30代の84%となっており、 全体的に女性のほうが男性よりも認知率が高い傾向に。2019年からの推移では、すべての年代で認知率が上昇しており、特に男性20代で7ポイント、女性50~60代で5~6ポイントの上昇がみられた。

約半数がスマホ決済を利用 個人間送金、投資アプリの利用率は昨年の2倍に

 調査の結果、スマホ決済の利用率は昨年から10ポイント上昇し、51%と約半数の人が利用していることが判明。認知率の伸び (4ポイント) と比較しても大きく伸びており、2020年は「スマホ決済を使うようになった」という人が一定数いたことがうかがえる。

 また、個人間送金サービスと投資ができるアプリについても、全体でみると利用率は高くはないものの、昨年からみると2倍となっている。

 年代別にみると個人間送金サービスの利用は全年代で伸びているが、特に20代女性の伸びが顕著。また、投資ができるアプリの利用率は男性30代で14%とほかの層と比較して高く、昨年から7ポイント上昇している。

 スマホ決済の利用率について、性年代別の詳細をみてみると、すべての性年代で上昇しているが特に男性20代、女性20~30代と60代で昨年から9~13ポイントの上昇がみられる。

 スマホ決済を利用しはじめたきっかけを聞いたところ、「ポイントを貯めたいから」「キャンペーンをやっていたから」といったお得な情報がきっかけになったという意見が多く見られた。ほかにも、「スムーズに支払いができそうだから」「現金を (多めに) 持ち歩くのが嫌だったから」といったスマホ決済特有の利点も、理由の上位となった。

 利用率の伸びが大きかった男性20代では「現金を (多めに) 持ち歩くのが嫌だったから」「お金の管理の手段として」と回答した人が、女性20代では「家族・友だち・知り合いなどからすすめられて」「スムーズに支払いができそうだから」と回答した人の割合がほかの層よりも高い傾向だった。

店頭での支払い方法はスマホ決済が大躍進、2年前と比較して3倍強の伸び

 ふだんの店頭での支払い方法について聞いたところ、現金払い派は2年前の2018年から12ポイントの減少。昨年からは特に男性40代、女性20代と60代で減少がみられた。

 一方、スマホ決済派は昨年からも大きく上昇し、2018年からみると3倍強に増えている。

スマホ決済の利用頻度は「昨年よりも増えた」が7割

 ふだんスマホ決済を利用する人に、昨年からスマホ決済の利用回数がどう変化したかを聞いたところ、全体では7割の人が「非常に増えた/増えた」と回答する結果に。「変わらない」は2割、「非常に減った/減った」人は4%程度だった。また、「今年から使い始めた/去年 (2019年) は使っていなかった」という人も4%いることがわかった。

 「非常に増えた」と回答した人は年代が下がるほど割合が高くなる傾向にあり、20~30代で4割を超える結果となった。60代では「非常に増えた」はほかの年代より少ないものの「増えた」の割合が約4割と多くなっている。

 昨年よりスマホ決済の利用回数が増えた人の理由について、「ポイントが貯まるから」がもっとも多く、スマホ決済を使い始めたきっかけの質問でも「ポイントを貯めたいから」という理由がトップだったが、利用回数が増えた理由も同じ結果に。2番目に多いのは「使えるお店が増えたから」という理由で、各スマホ決済サービスの対象店舗拡大にともない利用できる機会が増え、利用回数も増えたことがうかがえる。「スムーズに支払いができるから」「手元に現金がなくても支払いができるから」も上位にランクインし、「財布がかさばらない/持ち歩かなくてよくなるから」といった、多くのものを持たずに身軽で出かけられることにメリットを感じる回答もみられた。「なるべく現金や財布を触りたくないから」「支払いのときに、人との接触を避けたい/避けられるから」もそれぞれ1割強という結果となった。

スマホ決済サービス選びで重視する点、年代によって違い

 スマホ決済サービスを選ぶ際に、どのようなことを重視しているのかを聞いたところ、全体のトップは「セキュリティがしっかりしていること」で、男性よりも女性の方が重視する傾向。続いて「入金・チャージが簡単なこと」と回答する人が多い結果となった。

 ただし、重視する点は年代により異なっており、20~30代では「たくさんのお店で使えること」「特典やポイントの還元率がいいこと」が1位、2位となった。40代以上では「セキュリティがしっかりしていること」が1位となり、セキュリティ面での安心感を後押ししそうな「運営会社がしっかりしていること」という理由は60代で5位にランクイン。50~60代では「入金・チャージが簡単なこと」も2位となり、使い勝手やわかりやすさも重視されていることがうかがえる。

調査概要

2020年12月度調査
  • 調査対象:日本全国 男女
  • 実施時期:2020年12月21日~12月25日
  • 有効回収数:560,620サンプル
  • 集計対象:有効回収数のなかからランダム抽出した男女15-69歳の48,648サンプル
2019年12月度調査
  • 調査対象:日本全国 男女
  • 実施時期:2019年12月21日~12月25日
  • 有効回収数:576,670サンプル
  • 集計対象:有効回収数のなかからランダム抽出した男女15-69歳の48,851サンプル
2018年12月度調査
  • 調査対象:日本全国 男女
  • 実施時期:2018年12月20日~12月28日
  • 有効回収数:531,170サンプル
  • 集計対象:有効回収数のなかからランダム抽出した男女15-69歳の48,639サンプル