ANAホールディングスは、ニューノーマル時代における新しい旅の体験価値の創造に向けて、バーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」を開発・運営する「ANA NEO」を設立した。スマートフォン、タブレットなどの各種端末からアクセス可能な旅のプラットフォームとして2022年のサービスローンチを予定しているという。
新会社では、ANAグループが航空会社としてこれまで培ってきた知見およびマイレージプログラムや、同社グループのスタートアップ「avatarin」が開発した普及型アバターロボット「newme」で提供している各種サービスなどを最大限活用することで、ビジネスモデルのデジタル化を促進していく。バーチャル空間における旅行やショッピングなどの消費体験を通じてリアルを超える体験消費ニーズに応えるとともに、「地産外商」による地域創生や、リアルとバーチャルを融合させることにより経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0の実現への貢献を目指すとのこと。
Society 5.0とは
内閣府が提唱する日本が目指すべき未来社会の姿。IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータなどの先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな社会。
「時空を超える旅客機」をコンセプトとした SKY WHALE は、「Skyパーク」「Skyモール」「Skyビレッジ」の3つのサービスで構成されている。総合プロデューサーにはJP GAMESの田畑端氏が就任。日本国内のみならず海外からの評価も高い同社とタッグを組むことで、旅をテーマにした世界最高水準の3D空間を実現していく。音楽企画監修にはヴァイオリニスト、作曲家として国内外で活躍する葉加瀬太郎氏が就任し、臨場感溢れる SKY WHALEの世界観を作り上げる。
Skyパーク
旅のテーマパーク「Skyパーク」では3D CGによって描かれた世界のさまざまな都市や絶景スポットを舞台に、誰もが気軽に楽しめる新しい旅行体験をユーザーに提供する。「のんびり」「弾丸」などさまざまな旅の好みを設定し、自宅にいながら最大8人で同時にバーチャル旅行を楽しむことができる。また、バーチャルでの旅行体験に合わせた現実の旅行を提案し、予約することもできる。世界最大手の旅行口コミサイトTripadvisorなどパートナーの協力を得てリアルの世界における旅行への欲求を高めるとともに需要の喚起、地域活性化につなげていく。
Skyモール
空港でのショッピング、エンターテイメントをイメージしたバーチャルショッピング空間「Skyモール」では家族・友人などと一緒に自由にモール内を歩き、買い物や各種イベントなどを楽しむことができる。世界中へ同社グループならではの選りすぐりの商品を実際に手元へと配送する越境ECを実現し、偶然の出会いの楽しみや利便性を提供するとともに、地域創生や地産外商を促進していく。
Skyビレッジ
未来の街をイメージした空間「Skyビレッジ」ではバーチャルにおけるスマートシティの実現を目指して、バーチャル上での医療・教育・行政などのサービス展開を予定している。
SKY WHALEの開発にあたっては、JP GAMESが有するブロックチェーン対応のサイバー空間サービスエンジン「PEGASUS WORLD KIT」を導入することにより、フィジカル空間(現実)とサイバー空間(仮想)を高度に融合させたSociety 5.0の実現を目指していく。
SKY WHALEは、トップクリエイターが開発する世界最高水準の映像技術力と、リアルのモビリティサービスを有する同社グループが提供する無類のプラットフォームとして、日本国内外の政府観光局ならびに関連団体が後援。時間や場所にとらわれずに、さらにはリアルの世界までつながる新しい体験を世界中のスマートフォンユーザーに提供するために、世界的EC事業会社など幅広いパートナーとタッグを組んでいく考え。