ダンスカンパニー「DAZZLE(ダズル)」は、常設イマーシブシアター「Venus of TOKYO(ヴィーナスオブトーキョー)」をお台場ヴィーナスフォートにオープンした。
昨今、キャンプやサウナといった“リアル”の中で享受する体験型のエンターテインメントが拡大を見せており、“体験・経験”にその価値が移行している。
そうした付加価値によって、いまニューヨークを中心に世界的人気を博しているのが「イマーシブシアター」。従来の「観客が客席に座り、舞台上の演者を鑑賞する」というかたちから「観客が自らの意思で歩き、演者と同じ作品空間に同居しながら物語の一部として作品に参加する」形式へと舞台のかたちが変化している。今回、常設イマーシブシアターとして同施設がオープンした。
同作のポイントは、次のとおり。
ダンスカンパニー「DAZZLE」が主宰
同作を手掛けるダンスカンパニー「DAZZLE」は、日本での先駆的な存在として近年多数のイマーシブシアターを上演している。同社が今回、常設イマーシブシアターを開業。さまざまなアーティストの振付、映像作品・舞台への参加も行うダンサーの長谷川達也氏が主宰する。
コロナ禍でも楽しめる、新しいかたちのエンターテインメントを体感
「Venus of TOKYO」は、特別に招待された者しか立ち入ることができない、秘密クラブで行われるオークションに、黄金の林檎がその手に握られていたという伝説のある「ミロのヴィーナスの失われた左手」が出品されるという噂から始まるミステリー。参加する観客の行動によって登場人物たちの運命が変わる、マルチエンディングストーリーとなっている。
同作は、出演者がセリフを発することなくダンスと一部のナレーションのみで進行し、観客も入場時に配られる指定のマスクを着用、演者も観客も声を発することなく作品に没入できる演出となっているため、公演の中で会話を必要としない、コロナ禍でも楽しむことができる新しいエンターテインメントだという。
また今後、リアル空間で行われているイマーシブシアターのなかから、登場人物がリアルタイムに配信をするオンライン配信の実施も予定(7月頃)。オンラインでも作品に関与することができ、インターネット経由で物語を体験することが可能。
国内外で業界を牽引するクリエイティブチームが参画
- クリエイティブスタジオ「Whatever」がデジタル演出を担当
- SFX Makeup ArtistであるAmazing jiro監修のもと、SYLVESTAR 小林誠実氏が特殊造形を制作
- avexの最先端サウンド制作チーム「Sound edge」が音響の一部を担当し、多重音響空間を構築することにより新しい音楽のかたちを提示
- 東京気鋭のブランド「DRESSEDUNDRESSED」がショーレベルのクオリティで衣装を制作
- Mask/覆面・仮面における可能性を追求するMask artist午前アム氏が、重要無形文化財能楽師 山中迓晶氏監修のもと、現代にアップデートされた能面『Neomote(ネオモテ)』を制作
- 石草流(せきそうりゅう) いけ花 家元後継 奥平清祥氏が会場内装花を担当
- メイン楽曲はSpotifyの海外でもっとも再生された国内アーティスト6位にランクインした林ゆうき氏が担当