フォントワークスは、年間定額制フォントサービス「方正LETS」にて新書体提供を開始した。
今回追加される新書体は、中国市場でトップシェアを誇るフォントメーカー・北京北大方正電子とフォントワークスで共同開発を行った、「筑紫書体」シリーズなどの簡体字書体となる。
フォントワークスを代表するフラグシップフォントである「筑紫(つくし)書体」シリーズは、金属活字の滲みを再現しながら新しさを取り入れ、均質的ではなく文字本来の形をいかした字形デザインが特徴。テレビ・広告・書籍など幅広く使用されている。
中国国内では2020年より提供をしており、「Zhuzi Book Sereies」として中国国内のデザインコミュニティで支持されている。今回「方正LETS」にその14ファミリー・合計43書体を追加した。
文字セットは中国語の文字コード「GB2312」に対応しており、広告・パッケージなどの印刷物や、ゲーム、映像などにおいて、画像としての利用が可能となっている。
書体の特徴は、次のとおり。
中国の国家文字規範の筆形に合わせたデザイン 中国へ展開する製品にも使用可能
国家文字規範の筆形に合わせて書体をデザインしている。
「筑紫Aオールド明朝」の簡体字版「方正FW筑紫A老明朝 简」では、「春」の右払いを短く調整したり、「花」の左払いを伸ばしたりして文字の重心バランスを取っている。 これにより、筑紫Aオールド明朝の品質を保ちながら、簡体字での読みやすさを意識した書体デザインが実現した。
また、L/R/M/D/B/Eの6ウエイトを用意しており、さまざまなメディアやフォントサイズ、コンテンツレベルに対応可能。世界観を損なうことなく、ゲームや印刷物などの製品に簡体字での展開が可能となる。
中国国内の書体規格に対応
和文フォントに含まれていない簡体字を新たにデザイン。下図、灰色で表記した「部首」や 「へん」、「つくり」について、日本語版のデザインや風格をベースに新規に開発を行い、文字の不足を補うことにより、簡体字でのフォント製品化の規格要求を満たした。