工芸をベースにした生活雑貨の製造小売(SPA)企業である中川政七商店と、世界を舞台に活躍するデザイン・イノベーション・ファームTakramは、ビジョナリーブランディングチーム「PARADE(パレード)」を設立した。
また、今回、中川政七商店 代表取締役会長の中川政七氏とTakramビジネスデザイナーの佐々木康裕氏が中心メンバーとなり、ビジョナリーブランディング(ビジョンを起点としたブランディング)に特化したコンサルティングサービスの提供を開始した。
同サービスでは中川氏と佐々木氏に共通する「ブランディングの根幹となるのは企業が目指すビジョンである」(ここでは「会社やブランドにとって一番大切なもの」と理解したうえで「ビジョン」と表現)という考えをもとに、ブランドのビジョンをつくり、コミュニケーション戦略をサポート。Takramが持つ世界最先端の事例と、中川政七商店が培ってきた実践力の掛け合わせを強みに、志(ビジョン)あるブランドを世の中に届けていく一助を担う。
新会社のサービスは、大きくふたつのステップにわかれている。
ブランドビジョンづくり
ブランドの歴史や会社における位置づけなどを振り返りつつ、プロダクトやデザイン、ポジショニング戦略などのすべてを包含した、ブランドづくりの指針となるブランドビジョンを策定する。
取り組む内容
- ブランドビジョンの策定
- 顧客がブランドから享受する価値の設定
- ブランドを象徴する商品の開発
ブランドコミュニケーション戦略
ブランドパーソナリティの設定や、リアル・デジタルの多様なタッチポイントの整理、タッチポイントごとの特徴を踏まえたコンテンツ検討を通じ、ブランドビジョンへ共感を生むためのコミュニケーション戦略を策定する。
取り組む内容
- ブランドパーソナリティの設定
- タッチポイントごとのコミュニケーション戦略策定
パイロット事例「motta」、2021年11月3日にローンチ
同サービスのパイロット事例として、中川政七商店の既存ハンカチブランド「motta(モッタ)」を、新会社によりリブランディングした。
2013年の発売以降、普段使いの「肩ひじはらないハンカチ」として多くのユーザーに愛用されてきたmotta。一方でさらに広く商品を届け、急速に進むオンライン化や生活者の価値観変化に対応するには、現状の延長線上ではなくビジョンのレベルからブランドを見直す必要があった。
今回のリブランディングではアイテムが持つ価値の再検討から、ブランドビジョンを言語化。さらにブランドを体現するロゴのリニューアルや、それにともなうパッケージの変更、またコンセプチュアルな新商品の開発などを手掛けた。