DNP、オリジナル書体「秀英体」の「秀英にじみ初号明朝」開発 Adobe Fontsで提供開始

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2021/10/31 00:00

 大日本印刷(DNP)は、オリジナル書体「秀英体」の開発に明治時代から1世紀以上にわたって取り組んでおり、常に新しい価値を社会と人々に提供し続けている。今回、活版印刷の風合いの再現が高く評価されている「にじみシリーズ」の新たなラインアップとして、「秀英にじみ初号明朝」を開発した。

 また、2017年からアドビにライセンス提供している「秀英体」ファミリーに、「秀英にじみ明朝」と「秀英にじみ初号明朝」の2書体を追加。アドビは、この新しい書体を「Adobe Creative Cloud」のフォントサービス「Adobe Fonts」のラインアップに追加した。

書体の仕様と販売方法について

「秀英にじみ明朝」の特徴

 「秀英にじみ明朝」は、「にじみシリーズ」第1弾として開発した書体。DNPが100年以上にわたって活版印刷で使用してきた「秀英体」が、印刷した紙の上でどのように表現されているか細かく分析し、その結果を“にじみ効果“として付与する専用プログラムを独自開発した。このプログラムで「秀英明朝」に対して画像処理を行ったうえで、自然な“にじみ感”が出るよう、1字1字丁寧に調整を加えて完成させた。紙とインクの質感を思わせるような柔らかい表情を持ち、和菓子や工芸品、手作り品のパッケージなどで日本の伝統や美、レトロ感を演出する際などに最適だという。

「秀英にじみ初号明朝」の特徴

 秀英体の魅力がわかりやすい代表的な見出し用書体である「秀英初号明朝」に、活版印刷のようなインクの“にじみ効果”を持たせた。書籍・ポスター・ウェブサイトのタイトルや小見出しなど、大きな文字サイズで利用した際に良く映えるよう、“にじみ効果”の「太らせ量」や「ゆらぎ量」を調整。その“にじみ効果”が、「秀英初号明朝」の凛とした表情に柔らかくレトロな雰囲気を与え、より味わいある表現を演出している。

 また「秀英にじみ初号明朝」は、アドビが開発する新書体「ヒグミン」と連動させて、「太らせ量」や「ゆらぎ量」を調整しており、「ヒグミン」の仮名と組み合わせる漢字書体としての利用も推奨されている。

仕様
  • 文字セット:Adobe-Japan1-3(Std)
  • フォーマット:OpenTypeフォント
    ※新元号の合字グリフ「令和」に対応する新しい規格(Adobe-Japan1-7)に対応する。
提供方法

「Adobe Creative Cloud」のフォントサービス「Adobe Fonts」として利用できる。