市場の分析データに基づいた質の高いコンテンツを提供するストックフォトサイト「iStock」のクリエイティブ専門チームは、ニュースレター「iStock Creative Trends」を通じて、クリエイティブにまつわる最新のトレンドを定期的に配信している。
2022年の第1回目は、iStock クリエイティブ専門チーム Creative Insights マネージャー 遠藤由理氏が、2022年のトレンドを予測した、「iStock Creative Trends 2022」を解説する。
同トレンド予測の詳細は、次のとおり。
ビデオコンテンツ充実させる
5Gの広がりや、ステイホームしながら楽しめるコンテンツとして、動画のニーズが引き続き高まり続けている。世界の月間アクティブユーザーが10億人に到達したTikTokは、2022年には15億人を突破すると予測され、Z世代を中心に多くのトレンドや文化を生み出している。InstagramのリールやYouTube Shortsなど、各プラットフォームが立て続けに短尺動画機能をリリースしていることからも、SNSを通じた動画コンテンツの需要はますます高まると期待されている。
2022年は、動画を通して、商品やサービスの価値を魅力的に発信していくことが求められる。ストック動画や、誰でも手軽に編集できる動画編集ツールを使い、スマホで見ることを前提とした、縦型で短尺の動画コンテンツを充実させることが重要となる。
サステナビリティに配慮したビジュアル
SDGsや環境に対する高まりとともに、消費者はブランドに対して、持続可能性や社会的利益へのコミットメントについての透明性を求めるように。日本の消費者の82%が「企業が顧客の安全・安心を重視していることを示すことは重要だと思う」、66%が「ソーシャルグッドな取り組みをしている企業やブランドから買いたいと思う」、さらに43%が「環境にやさしい努力をしているブランドの製品しか買わない」と回答したVisual GPSの結果からも、企業のサステナビリティに対する配慮が、人々の消費行動に影響をあたえていることがわかる。
「環境社会ガバナンス(ESG)」(+900%)、「ネットゼロ」(+500%)、「循環型経済」(+375%)など、サステナビリティに関連する検索ワードが大幅に上昇している一方で、日本の消費者の67%は「二酸化炭素排出量を減らすために、具体的に何をしたらいいのか分からない」と回答しており、企業のサステナビリティに対する姿勢を示す際には、家庭菜園や家庭用ソーラーパネル、エコバッグ、リサイクル、など、より日常的な意識改革や行動喚起につながるビジュアルを使用していくことがポイントとなる。
人と人とのつながりを表現したビジュアル
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外部との関わりが制限されたからこそ、今まで以上に心のつながりを表現したビジュアルが人々の共感を呼び、消費行動に大きな影響をもたらしているという。
日本の消費者においては、61%が「家族の健康と幸福」を最優先事項として挙げており、パートナーや家族とつながる機会や、人と人とのつながりを表現するビジュアルが求められる。
消費者の目を引く大胆な表現
ビジュアルは見た人の共感を呼び、高いエンゲージメントを得られるかどうかを大きく左右し、人々の思考や行動に大きな影響を与える重要なコンテンツである。写真や映像など、多種多様なビジュアルコンテンツが広がりを見せるなか、他者との差別化を図るためにも、より消費者の目を引く大胆な表現が求められる。たとえば、明るい色や柄を用いながらブランドを際立たせたり、大きな文字やグラフィックを活用することで、わかりやすいストーリーを発信したりするなど、透明性を強調するための工夫が必要となっていくとのこと。