博報堂の専門組織・博報堂行動デザイン研究所は、デジタル時代の行動デザインモデル「PIX ループ」を活用し、15〜69 歳スマートフォン保有の男女1,000 名を対象に、コロナ禍において生活者の意識がどう変化したのかを調査した。
全国的な非常事態宣言/まん延防止等重点措置解除直後(2021年10月)における行動欲求や意識の変化
同研究所が定義した「12欲求」のコロナ禍における時系列変化をみると、安全・損失回避・簡便を求める「安心系欲求」は全年代で引き続き高い傾向となっていた。
また、もともと10代女性で高い数値を示す優越系欲求(独占欲、競争欲、顕示欲)/同調系欲求(追従欲、一体欲)の回復傾向も見られた。
情報プールの今後の変化
ジャンル別では、調査19項目のうち、「観光やテーマパーク・旅行」「地元(行きつけのお店・街)」や「カフェ」など、外出が絡むジャンルについて、全国的な非常事態宣言/まん延防止等重点措置解除直後に行動意向復調の兆しが見られる一方、それ以外のジャンルでは、お金や時間の投資を控えていくという心理状態が続き、抑制された行動の揺り戻しには慎重な傾向となっていた。
コロナ禍による新しい生活様式がもたらしたデジタルライフの浸透、人生観や考え方の変化
今回は、長期にわたる非常事態宣言等が明けた後の生活者欲求の変化以外に、デジタル体験の利用意向や今後の人生観や考え方への影響といった視点を加えて生活者を捉えた。
新型コロナの見通しとそれにともなう行動
新型コロナの見通しとそれにともなう行動については、総じて慎重派が多い。「慎重な行動や自粛を続けたい」という項目では10代がトップで、秩序を守り常識的な行動を心掛けていることがうかがえる。
デジタル体験の利用意向
「デジタルのみで体験したい」が優位なPoolジャンルはなく、若年層でもデジタル/リアルの使い分けを支持している。
人生観や考え方の変化
人生観や考え方の変化として、「とりあえず今を乗り切る」は全体で36.9%と最多。10代から20代が特に強い傾向となっていた。続いて「柔軟に対応できるように準備や行動したい」が2割台で60代に顕著に表れていた。
調査概要
- 実施時期:2021年10月22日〜10月26日
- 調査方法:インターネットリサーチ(全国)
- 対象者:15歳〜69歳のスマートフォン保有の男女
- サンプル数:1,000人