ドコモ、イベント生配信に高精度翻訳字幕を表示する実証実験 発話者ごとの字幕表示も可能

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2022/02/28 06:00

 NTTドコモは、大分県佐伯市が主催したオンラインサイクリングイベント「バーチャル・ツール・ド・佐伯」のインターネット生配信に、リアルタイムで中国語(繁体字)の字幕を表示する翻訳ソリューションの実証実験を実施した。

 同実証実験は、インバウンド需要の回復を見据えた自治体や企業の、動画を使った海外へのPRのソリューションとなるべく、2022年度内の商用化に向けた翻訳精度ならびにシステムの有効性の検証を目的としているとのこと。

 同実証実験で使用する翻訳ソリューションは、既存のインターネット生配信ツールに付属する翻訳字幕を表示する機能と比べて、配信内容に合った文章の翻訳を表示できることが特徴。現時点で最高クラスの音声認識と翻訳の精度を持つエンジンをベースに使用しつつ、今回のイベント用に「プロトン」や「ハンガーノック」といったロードレース独特の用語や文章、観光名所や郷土料理名などをあらかじめエンジンに登録することで、海外のサイクリングファンにも満足してもらえる翻訳字幕を表示する。また、会場で使用するマイクから直接音声を取り込むため、発話している人ごとに字幕を表示することも可能だという。

 今後は、同実証実験の成果に、これまで同社が音声翻訳アプリ「はなして翻訳」などの翻訳ソリューションで培ってきた音声翻訳のノウハウに加えて、日本語の音声を認識する際に難しいとされる、句読点などの文章を区切るタイミングを高い精度で判別できる技術や、会話の流れや文脈を反映したより自然な翻訳を表示できる技術を採用して、翻訳のさらなる精度向上を目指す。

バーチャル・ツール・ド・佐伯

 サイクリングが盛んな街として知られる大分県佐伯市主催で開催された、バーチャルロードレースアプリ「ROUVY」を使ったオンラインレースイベント。国内外から参加するレーサーは、実際に撮影した佐伯市の風景を合成したコースを走った。

 特設イベント会場では、地元プロチームや人気自転車インフルエンサーがゲストライダーとして集ったほか、実況・解説者がイベント形式でレースを盛り上げた。特設会場の模様はインターネットを使って国内のみならず「サイクリング大国」台湾にも中国語(繁体字)の字幕を付けて生配信された。