凸版印刷は、MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ/以下 MONET)と共同で、観光施設までの移動車中で、人気オンラインゲームのメタバース空間を活用し、遠隔地からアバターガイドがリアルタイムにナビゲートしながら、観光施設の事前体験を行う実証実験を、時之栖(ときのすみか)の協力のもと、2022年3月4日(金)から3月11日(金)まで実施した。
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メタバース上に構築された時之栖(画像左)と
車内での事前体験のイメージ(画像右)
実証実験の概要
同実証実験は、MONETが開発したマルチタスク車両(複数のレールを活用した専用フロア構造により、後席の取り外しや移動、テーブルの設置などを、工具を使わずに自由に行える架装車両)で御殿場高原に佇むリゾート観光施設「時之栖」まで移動する車中で、施設内を事前体験することで、観光者の行動変容を促すことができるかを検証するとともに、その満足度を測定した。
具体的には、Epic Gamesのバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」のメタバース空間に「フォートナイト クリエイティブ(フォートナイト内のゲームモードのひとつであり、ゲームやコンテンツをデザインするための幅広いツール)」によって「時之栖」を登場させ、遠隔地から「リモート接客システム」でつないだアバターガイドのナビゲートのもと、乗客が携帯ゲーム機を操作しながら、「時之栖」がどのような場所なのかをメタバース上で事前に体験した。
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MONETのマルチタスク車両(画像左)と
リモート接客システムを利用したアバターによる遠隔ガイド(画像右)
実証実験の結果
事前体験前後での意識の変化
体験前と比べて、事前の認知が低く、行く予定ではなかったスポットへの訪問が増加した。
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事前体験の満足度
体験者の7割以上が事前体験の満足度を10点満点中7点以上と回答し、全体の満足度平均は7.3点だった。
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満足度の構成
アンケート結果より、満足度を構成する要因は、メタバース上での観光施設の事前案内がもっとも高いことがわかった。
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実証実験における各社の役割
- 凸版印刷:移動車中での新しい体験設計(LIVEによるリモート接客/メタバース空間の構築)
- MONET:実証実験の企画、マルチタスク車両の提供
- 時之栖: 実証実験の場の提供
実証実験の詳細
- 期間:2022年3月4日(金)~3月11日(金)
- 対象者:都内を中心とした時之栖をワーケション利用する事業会社に勤務する社員38名
- エリア:出発地(東京・横浜)から時之栖まで
- 目的:移動車中での観光施設の事前体験によって観光者の行動変容を促すことができるかの検証および事前体験の満足度の測定
今後、凸版印刷は、今回の検証を受け、観光・買い物・スポーツ観戦などの移動をともなうあらゆるシーンにおいて、移動の高付加価値化向けた「メタバースによる事前体験」や「リモート接客システム」を含む、「新しい体験」を設計・提供していく。凸版印刷は、メタバースCXプロデュース事業を2023年度までに関連サービス含め10億円の売上を目指す。