テレビ視聴者の全視聴時間のうちインターネット動画視聴は1割程度に/ニールセン デジタル調査

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2022/05/02 06:00

 視聴行動分析サービスを提供するニールセンデジタルは、動画コンテンツと動画広告の利用動向調査「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2022(Nielsen Video Contents&Ads Report 2022)」を発売し、そのレポートをもとにテレビ画面での動画の視聴状況を分析し、発表した。

 近年日本においてもインターネットに接続したコネクテッドTV(以下、CTV)の利用が増加し、インターネット動画をテレビ画面で視聴するスタイルが定着しつつある。マーケティング担当者においても、消費者とコミュニケーションを取る接点としてCTV広告をメディアプランに組み込むことを検討するなど、CTVに注目している人が増えている。このような状況のなか、CTVを活用して今後消費者と効果的にコミュニケーションを取っていくためには、消費者が利用するCTVの視聴サービスの種類や視聴時間などをはじめとした視聴動向を把握することが重要となる。

 同レポートによると、テレビ視聴者の全視聴時間のうち、リアルタイム視聴と録画テレビ番組視聴のシェアがもっとも高く7割程度を占める一方で、インターネット動画視聴は1割程度を占めていた。

 テレビ画面でインターネット動画を視聴する人に絞ってみると、インターネット動画サービスの視聴時間の割合はすでにテレビ画面での全視聴時間のうち3割程度を占めている。テレビ画面からのインターネット動画の視聴時間が今後さらに増加すると、リアルタイム視聴や録画テレビ番組視聴などの視聴時間が減少する可能性があることで、テレビ画面での消費者とコミュニケーションを取る接点が減少することが懸念される。実際に、リアルタイムと録画テレビ番組の視聴時間は、テレビ画面からインターネット動画を視聴しない人では1日あたり134分であるのに対し、インターネット動画を視聴する人は98分と視聴しない人より短くなっている。

 一方で、テレビ画面からインターネット動画を視聴する人において、テレビ番組(リアルタイム、録画)と広告型インターネット動画を合わせた「広告が表示される動画」の視聴時間を見ると131分だった。つまり、テレビ画面からインターネット動画を視聴しない人のテレビ番組(リアルタイム、録画)の視聴時間134分と大差ないことがわかる。たとえば、商品の認知を促すために広告で広くリーチを獲得したい場合、これまでテレビCMをメインで活用していたのであれば、今後はCTV広告もメディアプランに組み込むことで、テレビCMを補完してコミュニケーションを取ることができると考えられる。

 これまでインターネット動画サービスは主に若年層を中心に利用が拡大してきたが、COVID-19の影響で在宅時間が増加したなか、主にスマートフォンで視聴していたインターネット動画を自宅でテレビ画面からも視聴する機会が増えたという人も多いことが推察される。特に、もともとインターネット動画の視聴が多い若年層はほかの年代よりもテレビ画面からのインターネット動画の視聴が進んでおり、インターネット動画を視聴する人の1日あたりサービス別視聴時間割合を年代別に見ると、34歳以下に加え35-49歳においても広告型インターネット動画が19%を占め、50歳以上の14%よりも高くなっていた。若年層だけに限らず30、40代も含めた広い層に対して、広告型インターネット動画を活用することでコミュニケーションの機会を増やす余地があることがうかがえる。