凸版印刷、印刷で培ったカラーマネジメント技術をもとにカラー電子ペーパー向けCMS変換サービスを開発

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2022/10/13 14:00

 凸版印刷は、印刷で培ったカラーマネジメント技術をもとに、カラー電子ペーパーに表示する画像の色調を適切に変換・配信するカラー電子ペーパーCMS(カラーマネジメントシステム)変換サービスを開発、2022年11月より提供を開始する。

 同サービスは、これまで凸版印刷が印刷物において培ってきた色域の狭い用紙における色再現性の向上を目的に開発したCMS技術をカラー電子ペーパー向けに応用したもので、カラー電子ペーパーにおける色再現性の良化を実現した。

 カラー電子ペーパーは、これまで発色原理の特性上、カラー再現に課題があり、適切な色表現を求められる用途には適さず、その利用は限定的だった。同サービスの活用により、店舗・商業施設などのPOP用途や、印刷物の貼り替えで対応していた掲示物、屋外で電源がなくデジタルサイネージの設置が難しい環境へ色再現性の高いカラー電子ペーパーの活用を推進するとともに、導入企業における廃棄ロス削減や電力削減などのSXを支援する。

 なお同サービスは第1弾として、クレアが2022年11月に発売する電子ペーパーサイネージ「EPS3-C07 T-color」に採用されている。

 近年、SDGsへの注目が高まるなか、企業におけるSXの取り組みも活発になっている。同社は、2001年より電子ペーパーの開発を行い数多くの実績を培ってきた。また、印刷物においてディスプレイやプリンタ、印刷機で使われる基本色や色域の異なりを、CMSを用いて表示色を統一することで、さまざまな条件の印刷仕上がり色を予測する技術を磨き、ノウハウとして蓄積してきた。

 同サービスは、色域の狭い用紙における色再現性の向上を目的に開発したCMS技術をカラー電子ペーパー向けに応用。電子ペーパーは外からの光を反射して表示しているため、明るい所でも見やすく、消費電力が少ないという特性をもつ。しかし、カラー電子ペーパーではモノクロの電子ペーパーにカラーフィルタを重ねてカラー化することで画面が暗くなってしまい、色再現性に課題があった。同サービスの活用により、表示したい画像をカラー電子ペーパーの特性に合わせた専用フォーマットにCMS変換することで、適切な色再現を実現。屋内外の施設におけるPOP用途やデジタルサイネージへの置き換えなどさまざまなシーンでのカラー電子ペーパーの活用を推進するとともに、導入企業における廃棄ロス削減や電力削減などのSXを支援する。

 同サービスの特徴は、次のとおり。

カラー電子ペーパーに合わせて画像を最適に変換

カラー電子ペーパー専用に調整した、濁りや潰れが起きにくいカラープロファイルの適用により色再現を良化させつつ、トーンジャンプに対する適切な画像処理を行う。

クラウドサービスで配信システムとの連携が可能、電源がなくても複数端末更新に対応

表示したい画像はブラウザ経由でクラウド上にアップロードしCMS変換が可能。クラウドサービスのため、各種配信システムとも容易に連携が可能。直接ケーブルを接続しなくても、クラウド上で適切な色再現を行った画像のアップロードや画面切り替えのスケジュール設定も行うことができる。

色再現性の良化により様々なシーンでカラー電子ペーパーの活用が可能

カラー電子ペーパーの色再現性の良化により、これまで印刷物で対応していたPOP用途や電源のない屋外環境への設置などでの活用が可能。色再現の良化に加えて、電子ペーパーは、電源が完全に抜かれている状態でも画面が消えずに表示され続け、画面が切り替わるときだけ電力を消費するという超低消費電力と、屋外で視認性がよいという特徴がありさまざまなシーンにおけるカラー電子ペーパーの活用を推進する。

 同社は今後も小売、製造・物流、防災、交通など幅広い分野で、電子ペーパーの用途拡大に向けた取り組みを推進していく。