KDDIと凸版印刷、NrealLightを活用した実証実験開始 「AR Museum――国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱」の開発も

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2019/10/11 17:10

 KDDIと凸版印刷は、第5世代移動通信システム「5G」(以下、5G) 時代における新たな空間コンピューティング (Spatial Computing) への取り組みとして、スマートグラス「NrealLight(エンリアルライト)」(以下、NrealLight) を活用した実証実験を2019年10月14日より実施する。

 本実証実験では、Nreal LTD.が開発したNrealLightをベースに、今後の5G普及がもたらす変化を見据えたXR技術による時間と空間を超える体験の創出に向けて、NrealLightを活用した技術実証および市場の受容性を検証する。

 本実証実験は、場所にとらわれず、IT技術を活用してあらゆる場所で人々に日本の文化財の魅力を体験してもらうことを、KDDIの開発環境の活用や、凸版印刷の文化財のデジタルアーカイブやVR技術によって、NrealLightに最適化した「AR Museum――国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱」を開発し、XR技術とアミューズメントの組み合わせによる新たな体験価値の創出に取り組んでいく。

 「AR Museum――国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱」とは、凸版印刷が国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」をテーマにしたVR作品をNrealLightを用いて鑑賞するデジタルコンテンツである。東京国立博物館が所蔵する国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」は、江戸時代後期に尾形光琳によって作成された硯箱で、外側は『伊勢物語』の一節三河の国八つ橋の情景が描かれ、内は光琳波と呼ばれる意匠で装飾されている。光琳波は当時、最先端のデザインとして人気を博したが、博物館の展示では閉じた状態で展示されることが多く外側しか見ることができませんでした。

 今回のNrealLight向けデジタルコンテンツでは、あたかも目の前に硯箱があるかのように内側の意匠も鑑賞することができる。また通信とデバイスの組み合わせで場所を限定することなく国宝を鑑賞できるようになった。

VR作品『日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺 八橋蒔絵螺鈿硯箱』 監修 東京国立博物館 制作 凸版印刷株式会社
VR作品『日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺 八橋蒔絵螺鈿硯箱』 監修 東京国立博物館 制作 凸版印刷株式会社

 本実証実験は、2019年10月14日から開催される「CEATEC 2019」のKDDIブースにて展示およびデモンストレーションを実施する。