ARコミュニケーション事業を展開するエピソテックは、東京都が実施する「5G技術活用型開発等促進事業(以下、東京都5G事業)」において、ARアプリ「Dive」を介した現場事業者の課題解決のために5G×ARユースケースの模索・開発・普及活動を実施している。同活動の一環として、さらに身近で5Gの価値を体験できるよう期間限定で3DモデルをAR化するサービスを提供する。
エピソテックは、東京都5G事業の開発プロモーターとして採択されたクリーク・アンド・リバー社(以下、C&R社)より、支援対象スタートアップとして2021年4月に選出された。ARを活用したビデオ通話機能・コンテンツ作成機能を持つエピソテックが開発したプロダクト「Dive」を活用し、製造業や機械メンテナンス事業者だけでなく、コンシューマユーザー向けを事業とする地方自治体や観光業の事業者に対しても課題解決を図るべく、パブリック5Gが持つ強みを掛け合わせたユースケース探索を1年半かけて実施してきた。その結果、「事業者側で店舗Wi-fiなどの通信環境準備をしなくとも、ユーザーが3Dモデルをストレス無く表示できる」ことにもっとも価値があると結論づけた。しかし、事象者にとって3Dモデルの取り扱いは特別なスキルを要するため、せっかく5Gが使える環境であっても上記ユースケース促進の壁となっている。そこで、この壁を取り除くために同社は次のサービスを事業者へ提供することを決定した。
3DモデルAR化サービス内容
次の流れを踏み、事業者がARコンテンツを対象ユーザー・顧客に提供できるよう同社がサポートする。
対象者:法人(申し込みから先着10社)
- 費用:無料(必要なサービス内容によっては、3Dモデリング費用や旅費などの費用が発生する可能性あり)
- 申し込み・サービス提供期間:2022年11月1日~2022年11月30日
- 流れ
- Zoomなどを使ったヒアリング
- 対象3DモデルおよびARコンテンツの決定
- 対象場所にてARコンテンツを作成
- ARコンテンツにユーザーがアクセスできるURLを提供
Diveについて
DiveはARを活用した現場支援アプリ。「現場にいなければならない」に対して、ARを活用したお手軽DXで解決する。Diveは「ARコンテンツで現場ユーザーを無人サポート」と「ARビデオ通話で現場ユーザーを遠隔サポート」を実現するための機能を提供。東京都5G事業を通してDiveの提供価値の再定義および機能改良が図られた結果、製造業や機械メンテナンス業といった現場を軸とする5社以上の顧客や2社以上の販売店開拓に成功した(2022年9月末時点)。同プロダクトは、通信大手業者の5Gラボ環境での実証実験も経ており、5Gによるプロダクト価値向上だけでなく、逆に同プロダクトにより5G自体の価値普及に言及できることも確認されている。
同サービスで使うDiveの機能
お手軽ARコンテンツ作成・共有機能であるDiveスポットの活用をする。
DiveスポットはVPS(Visual Positioning System:ヴィジュアル・ポジショニング・システム)技術を応用しており、意図をデジタル情報として可視化して現場空間と関連付けすることができる。結果、対象場所に訪れた人はスマホのカメラを現場に向ける事で関連情報をARとして直観的・網羅的に確認できる。また、作成はスマホだけで完結・ノープログラミングで実現できるため、ボトムアップ型DXを促進。Diveは、メンテンナンス業や製造業でのDX推進や技術伝承を目的に活用されており、実際に「若手がマニュアルを読まない」という課題を持つ総合建物サービス会社などで活躍している。外部公開に設定されたDiveスポットであれば、どのユーザーも無料で観覧することができる。
東京都「5G技術活用型開発等促進事業」の事業概要
東京都では、スタートアップ企業などによる新しい日常に寄与するような5G 技術を活用したイノベーションの創出や新たなビジネスの確立を促進するため「5G技術活用型開発等促進事業/Tokyo 5G Boosters Project」を実施している。スタートアップ企業を支援する事業者として東京都より採択された開発プロモーターが、選定したスタートアップ企業に対して東京都、通信事業者などと連携・協働を図り、スタートアップ企業などの5G技術に関連するサービスなどの開発・事業化を資金的、技術的な側面からのサポート、マッチング支援などネットワーク面の支援を行うことで、非接触型社会や Society5.0 の実現などを目的としている。