写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」などを運営するピクスタは、新たに、漫画・アニメ・ゲームのキャラクターや、コミュニケーションアプリなどで人気のイラストキャラクターなど、さまざまなIP(intellectual property=知的財産)コンテンツの使用権を仲介販売するIPコンテンツプラットフォーム「PIXTA IP コンテンツ」を開始した。
PIXTA IP コンテンツ・プラットフォーム概要
「PIXTA IPコンテンツ」は、IPコンテンツを保有・管理する企業や個人のクリエイター(以下、ライセンサー)とIPコンテンツを利用したい企業をつなぐプラットフォーム。各ライセンサーと個別の交渉や、面倒な窓口対応を「PIXTA IPコンテンツ」が引き受け、一元管理が可能となる。
サービス内容
1.IPコンテンツ使用権の仲介販売
「PIXTA IPコンテンツ」上にあるキャラクターを自社のウェブ広告やホームページに利用可能(現在はウェブ上での利用のみに限定)。現在、「PIXTA IPコンテンツ」で提供するIPコンテンツは、次の8点。
2.IPコンテンツのリサーチ代行
「PIXTA IPコンテンツ」上にまだないキャラクターを利用したい場合、希望するIPコンテンツの情報や利用用途などを入力することで、同社が利用条件や見積りなどを調べる。希望に応じて、ライセンサーへの取次ぎ・契約支援も行う(オプション)。
背景
日本にはこれまで、漫画・アニメ・ゲーム、絵本、SNSコミュニケーションアプリのスタンプなど、数多のキャラクター(IPコンテンツ)が生み出されてきた。一方で、その分、時間の経過と共に埋もれがちになり、充分に価値を発揮しきれていない現状がある。
たとえば、漫画作品が終了しても、キャラクターの人気が継続するものとしないものが存在するが、その背景のひとつに、どれだけそのキャラクターが「原作の中」だけにとどまらず、社会活動の中で活きるかが影響しているのではないかと考えた。
社会活動の中でさまざまに活用されれば、IPコンテンツの収益は多様化し、作者にも多くの利益を還元することができる。一方で、プロモーションやブランディング活動、商品化などIPコンテンツを利用したいと考えている企業は多く存在するが、実際に活用に踏み切れていないことも、ピクスタの調査でわかった。
デジタル素材プラットフォーム「PIXTA」の購入会員1,008名に行った調査(※)では、約6割がIPコンテンツの利用意向があるにも関わらず、利用意向を示した595名のうち「これまでにIPコンテンツを利用したことがある」と回答した人はわずか13.8%と、8割以上が利用できていないことが判明。
IPコンテンツ利用の懸念点のうち、もっとも多かったのが「相場観がわからない(55.47%)」、「費用が高い(52.83%)」とコスト面に関することで、3番手に「取引の仕方がわからない(42.71%)」が挙げられ、IPコンテンツ利用の不透明さが課題になっていることもわかった。
こうした現状をもとに、ピクスタも参画する一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(略称、一般社団法人JCBI)の会員企業とも意見を交わす中で、「IPコンテンツ取引の明瞭化」と「IPコンテンツを利用したい企業とライセンサーが今よりもっと気軽につながれる世界」を実現させ、IPコンテンツの生みの親であるクリエイターにより多くの利益を還元できる未来を目指すべく、多くの広告・デザイン関連企業を顧客に持ち、多くのクリエイターを抱えるPIXTAがIPコンテンツ・プラットフォームを立ち上げることとなった。
※調査概要
- 期間:2022年5月25日〜6月1日
- 対象:PIXTA購入会員1,008名
- 方法:インターネット調査
今後の展開について
今後は、個人のクリエイターが制作したキャラクターのほか、漫画・アニメ・ゲームなどのキャラクターを含め、国内で人気のキャラクターをPIXTA IPコンテンツに集約しながら、料金や取引の明瞭化を目指し、日本の優れたIPコンテンツを気軽に利用できる国内最大の「IPコンテンツ・プラットフォーム」へ成長させる考え。
将来的には、海外展開も視野に、JCBIが支援する日本発のパブリックブロックチェーン「Sanpō-Blockchain」の活用も検討しながら、日本の優秀なクリエイターが生み出したIPコンテンツを世界中に羽ばたかせることを目指す。