CA、「2022年Z世代ヒットトレンドランキング」を発表 もっとも流行ったのは『SPY×FAMILY』

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2022/12/27 13:00

 サイバーエージェントは、インターネット広告事業の「サイバーエージェント次世代生活研究所」において、「2022年Z世代ヒットトレンド調査」を実施。Z世代本人が2022年に流行ったと実感する「2022年Z世代ヒットトレンドランキング」を発表した。

 各調査項目の結果概要は、次のとおり。

Z世代ヒットトレンドランキング2022

 2022年、Z世代の間でヒットしたトレンド上位5位は、1位「SPY×FAMILY」(人気漫画)、2位「新時代」(映画 『ONE PIECE FILM RED』主題歌)、3位「Ado」(歌手)、4位「スプラトゥーン3」(人気ゲーム)、5位「ヤクルト1000」(よく眠れると話題になったヤクルト)。「SPY×FAMILY」、「新時代」、「ado」、「スプラトゥーン3」などの若者向けコンテンツ関連が上位を占めるなか、健康飲料である「ヤクルト1000」も上位5位にランキングされ、コロナ禍にZ世代の間で健康志向や睡眠への意識が高まった可能性が推察される。

 また、上位30位を見ると、『SPY×FAMILY』関連が3つ(「SPY×FAMILY」「ミックスナッツ」「○○、△△が好き」)、『ONE PIECE』関連が4つ(「新時代」「Ado」「ONE PIECE FILM RED」「ONE PIECE」)、「TikTok」関連が5つ(「ギャルピース」「Habit」「チグハグ」「きつねダンス」「可愛くてごめん」)、『silent』(フジテレビドラマ)関連が3つ(「silent」「目黒蓮」「subtitle」)、『チェンソーマン』((少年ジャンプの漫画)関連が2つ(「チェンソーマン」「KICK BACK」)、「YouTube」関連が2つ(「コムドット」「美味しいヤミー感謝感謝」)がランキングされるなど、2022年のZ世代の間での流行りがこれらに集中していたことがよくわかる。

 また、Z世代の間でも「流行った」と実感した率が50%を超えたのは、Z世代全体ランキングの上位4位まで(「SPY×FAMILY」「新時代」「Ado」「スプラトゥーン3」)のみであり、Z世代の間でも多様化・細分化が進んでいることが明らかになり、日本人全体の「流行語」などのヒットトレンドが生まれ難くなっていることがうかがえる。

ジェネレーションギャップランキング

 “24歳までのZ世代”と“25歳以上のそのほかの世代”とのジェネレーションギャップが見られた「ジェネレーションギャップランキング」上位5つのヒットトレンドは、1位「チグハグ」(THE SUPER FRUITの楽曲)、2位「Habit」(SEKAI NO OWARIの楽曲)、3位「ギャルピース」(ピースを逆さまにして前に出すポーズ)、4位「美味しいヤミー感謝感謝」(美味しさを表すスカイピースの台詞)、5位「新時代」(映画『ONE PIECE FILM RED』主題歌)。

 「チグハグ」「Habit」「新時代」「可愛くてごめん」がTikTokで、「美味しいヤミー感謝感謝」「コムドット」がYouTubeで特に流行ったことを踏まえると、TikTokとYouTubeがZ世代とその上の世代とのジェネレーションギャップを引き起こしていることが考えられる。

言葉部門

 2022年、Z世代の間で流行った言葉の多くがSNSやTikTok、YouTube上で流行ったものとなっている。

 24歳までのZ世代とその上の世代の数値の差を見ると、「ブラボー」(サッカーW杯で話題になった長友佑都の台詞)と「知らんけど」(根拠が曖昧なときに語尾につける言葉)以外の両者の差はかなり大きく、Z世代の間で本当に流行っている言葉を中高年世代がほぼ知らないことが判明し、流行語の世代分断がSNSやTikTokやYouTubeによって起こっていることがわかる。

アーティスト・芸能人・インフルエンサー部門

 2022年、Z世代の間で流行った「アーティスト・芸能人・インフルエンサー部門」ランキングは、「Ado」、「なにわ男子」、「目黒蓮」、「あのちゃん」、「道枝駿佑」、「橋本環奈」、「鈴鹿央士」など芸能人が多くを占め、YouTuberやTikTokerより芸能人の影響力が依然強いことがわかった。

場所部門

 Z世代の間で流行った「場所部門」では、「ジブリパーク」がダントツの1位に。若いZ世代の間でもジブリは根付いており、彼らがジブリパークに大きな期待を持っていることがうかがえる。

 なお、同「場所部門」は、上位5位以下の数値が10%を切っているためヒットトレンドとは認定せず、上位4位までの掲載となった。

食べ物・飲み物部門

 2022年、Z世代の間で流行った「食べ物・飲み物部門」にランキングされたものは、「ヤクルト1000」以外はすべて、Z世代とそのうえの世代との数値の差が大変大きいものばかりという結果に。SNSやTikTokなどで話題になった食べ物や飲み物がZ世代の間で流行るという構造になっており、Z世代よりSNSやTikTokを利用していない上の世代には届きにくいということがわかる。SNSやTikTokにより「食べ物・飲み物」でさえ、世代分断が生じている傾向にある。

 なお、「食べ物・飲み物部門」は、上位8位以下の数値が10%を切っているためヒットトレンドとは認定せず、上位7位までの掲載となっている。

ファッション・メイク部門

 2022年、Z世代の間で流行った「ファッション・メイク部門」は、「SHEIN」(通販ファッションブランド)や「アームウォーマー」(袖にアクセントを加えるY2Kファッション)などY2Kファッション(Year2000の略語で、2000年代流行したファッションを指す言葉)関連がランクイン。

 メイクでは24歳以下女性2位の「純欲メイク」(中国発祥のメイクの表現の1つ)は、24歳以下と25歳以上の差が1位(35.0ポイント差)となり、Z世代は中国からもメイクの情報を収集していることがわかる。

 また、コロナ自粛ムードが明け、「リップモンスター」(KATEの色持ちの良いリップ)、「TIRTIR MASK FIT RED CUSHION」(マスクをしても崩れないと話題のファンデーション)が上位に入ることから、マスクをしていても崩れないメイクの需要が読み取れる。

 なお、「ファッション・メイク部門」は、男女の数値差(女性が高く男性が低い)が大きかったため、24歳以下、25歳以上ともに女性のみの数値が掲載されている。

音楽部門

 2022年、Z世代の間のヒットトレンド「音楽部門」では、「新時代」(映画『ONE PIECE FILM RED』主題歌)、「すずめ feat.十明」(映画『すずめの戸締り』主題歌)や、「ミックスナッツ」(アニメ『SPY×FAMILY』主題歌)、「KICK BACK」(アニメ『チェンソーマン』主題歌)と、流行った映画・アニメの主題歌が上位を占めた。

 同時に、「ダンスホール」(フジテレビ『めざまし8』の主題歌)、「subtitle」(フジテレビドラマ『silent』の主題歌)、「ツキヨミ」(TBSドラマ『クロサギ』の主題歌)、「きらり」(HondaのCMソング)、「もう一度」(フジテレビドラマ『ナイト・ドクター』の主題歌)など、音楽ジャンルにおいてはテレビ発のものも多いことが判明した。

TikTok部門

 同調査とは別に、サイバーエージェント次世代生活研究所が実施した「メディア調査」(2022年9月29日~10月3日に実施・全国男女15歳~79歳の4,900サンプルを対象としたインターネットリサーチ)では、TikTokを利用しているZ世代(13歳~24歳)は30.6%(Z世代男性24.2%、Z世代女性36.9%)で、ゆとり世代(25歳~34歳)は13.6%、さらに上の世代(30歳~59歳)の数値は7.9%という調査結果だった。

 このことから、これら「TikTok部門」にランキングされた音源やダンスなどは、中高年の間では流行しておらず、世代分断が生まれていると推測される。一方、「きつねダンス」のみにおいては中高年の数値がZ世代よりも高く、世代を超えた流行になっているといえる。

コンテンツ部門

 2022年、Z世代の間のヒットトレンド「コンテンツ部門」では、「週刊少年ジャンプ」関連(「SPY×FAMILY」「ONE PIECE FILM RED」「ONE PIECE」「チェンソーマン」)が多くを占め、2022年のコンテンツ領域は「ジャンプ」関連の年であったことがわかる。

 なお、映画『すずめの戸締まり』が公開されたのは11月11日からで、同調査期間が12月8日~12月9日であったことを考えると、もう少しあとの期間の調査であればより上位に位置していた可能性も考えられるとのこと。

調査概要

  • 調査期間:2022年12月8日~2022年12月9日
  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査対象:全国男女15歳~59歳2,884サンプル(うちZ世代=24歳以下の高校生・大学生・社会人は1,236人)